水産研究本部

試験研究は今 No.158「後志・桧山管内の津波被害調査行われる」(1993年9月17日)

後志、桧山管内の津波被害調査行われる

写真1
  グラグラ、ドドーンときて「大津波警報発令!」。7月12日の晩は、北海道中の人々が恐怖のため眠れない一夜を過ごしました。それほど津波の残した影響は大きく、水産に与えた被害も深刻であると推察されました。

  そこで中央及び函館水産試験場増殖部では、水産技術普及指導所などの協力を得て津波の翌日から後志、桧山管内の被害状況の聞き取り調査や視察を行いました。また、本格的な被害状況調査を議会の予算措置後、ただちに実施することにしました。
写真2
  水中の調査ではダイバー等5~6人が一組となって船に乗り込み、調査用ラインを利用したアワビ、ウニの生息状況の把握と海底の変化等を潜水観察を行いました。ほとんどの磯船が被害に遭っていた浜もあり、調査用に港湾復旧工事現場の作業船を借りなければならないなど、制限の多い中での調査でした(写真1)。

  浜辺には津波により無数のウニが打ち上げられており(写真2)、被害の甚大さがうかがえました。また調査の途中で目にした、陸上に打ち上げて弱りきったウニを海へ戻すという空しい努力を続ける漁民の姿は実に痛々しく感じられました。
写真3
  海底においても津波の影響で、コンブ等の付着した転石等が沖合へ移動した形跡が認められました。(写真3)。
  現在、これらの調査結果は、とりまとめ中です。
  水産試験場では、被害に遣われた漁民の方の復旧に対して、できるだけの御協力をさせていただくと共に今後とも災害などがあったときは、いち早く対応できるようにしたいと思います。

  最後になりましたが、津波の直後という大変な時に調査協力していただいた関係機関の方にお礼申し上げます。また津波の被害に遣われた方には、一目も早い復旧をお祈りします。
(中央水試増殖部 川井唯史)

トピックス

アキサケ、ヤリイカの動向は? -古平地区でミニプラザ開催-

去る8月26目、後志管内古平町の漁港会館でミニプラザが開催されました。
会場には、地元の漁業者をはじめ漁協や役場の職員、そして道の関係機関から合わせて約40人ほどが集まりました。
はじめに、企画情報室の川嶋室長と地元を代表して古宇漁協の吉野副組合長から挨拶があり、議事に入りました。
今回は水産孵化場も参加し、真狩支場の河村支場長からアキサケ来遊量の減少要因について説明がありました。
次いで水試から、「ヤリイカの生態と資源動向について」と題し、中田沖合科長の話題提供がありました。
このあと参加者全員で総合討論が行われ、盛会のうちに終了しました。
(中央水試 企画情報室)
    • ミニプラザ開催

平成5年度道立試験研究機関公開講座のお知らせ

今年も公開講座が開催されます。水産試験場でも魚類の水槽展示やエクストルーダによる加工試作品などを展示する予定です。皆さんぜひお立ち寄りください。

とき:平成5年10月19日(火曜日)
ところ:JR札幌駅 ライラックパセオ