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中央水産試験場

海況速報(2012年08月)

平成24年度 第3号(通算 No.147)
平成24年8月8日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

7月下旬~8月上旬の海況

海域別情報

日本海海域
岩内湾のはるか西方に暖水渦(指標:100m層水温7℃以上),松前沖と雄冬岬沖に冷水域(指標:100m層水温4℃以下)がみられます。このため,松前沖では岸寄りを流れている対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,せたな沖から分枝し,1つは本道沿岸を,もう1つは暖水渦の西方を迂回し北上しています。対馬暖流の流量は,前回6月では例年の半分程度でしたが,今回も前回と同程度であり,弱勢が続いています。
水温は,積丹半島のはるか沖合で2~3℃高くなっているのを除き,水温躍層のある深度50mと深度100mを中心に例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。この低水温化の要因として,対馬暖流の流量が少ないことによる熱輸送量の低下,天候不順に起因した昇温の遅れ,などが考えられます。
余市における旬平均水温は,6月下旬では「平年並み」でしたが,その後は「やや高い」で推移しています。
道東太平洋海域
道東沿岸を親潮(指標:100m層水温5℃以下)が広く覆っており,その先端はえりも岬付近にあります。また,えりも岬沖合の北緯41度40分以南では,黒潮系北上暖水がみられます(指標:50m層水温7℃以上)。
水温は,親潮が分布する海域で例年よりも1~3℃低く,暖水が分布する海域で例年よりも1~6℃高くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は,前回に引き続き,渦モード(*1)へ移行中です。
水温は,表面で例年よりも2~4℃高い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流がオホーツク海沿岸を順調に流れています(指標:50m層水温7℃以上)。また,宗谷岬西方には冷水帯(指標:表面水温10℃以下)がみられます。
水温は,全般に,例年よりも低い海域が多くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2012年7月29日〜8月1日 (道西道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2012年7月24日〜7月26日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2012年7月26日〜8月1日 (道東道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2012年7月30日〜8月1日 (道南日本海海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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