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中央水産試験場

海況速報(2003年04月)

平成15年度 第1号(通算 No.91)
平成15年 5月 8日

北海道立水産試験場

4月上旬から4月下旬の海況

海域別情報

日本海海域
暖水渦2つ

松前西方沖および茂津多岬西方沖に暖水渦があります。暖水渦の中心は200m層水温で見ると松前西方沖で5℃以上の領域と茂津多岬西方沖で4℃以上の領域に相当します。これらの暖水渦にはさまれるように、奥尻島南東に冷水渦が見えます(100m層5℃以下)。対馬暖流はこれらの暖水渦の西側を北上し、岩内西方沖で暖水渦の北側を回って沿岸に向きを変え、その後積丹半島に沿って沿岸側を北上し始めているようです。また、この沿岸に向かう流れに対し、暖流の一部は岩内西方沖から沿海州へ向かって伸びているようです。水温についてみると、対馬暖流が平年同期より沖合(西側)を北上しているため、松前西方、茂津多岬西方沖観測線の沖側で水温の高いところがあります。日本海北部では、利尻、礼文島周辺で水温がやや低くなっています。
余市における3月中旬以降4月下旬までの沿岸水温(旬平均)は、3月中旬では「非常に低い」でしたが、その後4月下旬まで「平年並み」から「やや低い」の間で推移しました。
道東太平洋海域
水温低め

道東沿岸から沖合にかけて,親潮でおおわれています。沿岸親潮(*1)の50m層で0℃以下の部分が襟裳岬を越え、沙流川沖まで達しています。北緯40度30分、東経146度付近には200m層水温で5℃以上の暖水塊の一部が見えます。親潮は襟裳岬からこの暖水塊と本州沿岸の津軽暖流の間を南下するものと襟裳岬を西へ越えるものに分かれています。水温は全体的に平年より低くなっています。
道南太平洋海域
沿岸モード

津軽暖流は沿岸モード(*2)で東北沿岸を南下しており、50m層と100m層では八戸東方沖から襟裳岬へ向かって暖水が伸びています。襟裳岬から室蘭付近まで,表面水温4℃以下の親潮で広くおおわれています。水温は全体的に低めで、特に津軽暖流域では低くなっています。
オホーツク海海域
海氷残る

海氷のため一部観測できませんでした。表面水温は紋別沖で3℃以上となっていますが、宗谷暖流はまだ浮上していないようです。水温も平年より低めで、前年同期と比べると2~5℃低くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 2003年4月3日〜4月4日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2003年4月10日〜4月12日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2003年4月14日〜4月16日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2003年4月15日〜4月20日 (道東太平洋海域)
釧路水試(北辰丸) 2003年4月22日〜4月24日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2003年4月14日〜4月17日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2003年4月22日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2003年4月10日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2003年4月16日〜4月22日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

PDFファイル

水温鉛直断面図

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