平成15年 6月 25日
北海道立水産試験場
5月上旬から6月中旬の海況
海域別情報
日本海海域
暖水渦北上
奥尻島西方の北緯42度20分、東経139度付近に暖水渦があります(100m層8℃以上)。また、岩内西方にも暖水渦があります(100m層7℃以上)。これら2つの暖水渦は、前回(4月)、松前西方と奥尻島西方にあった暖水渦がそれぞれ北上したものと考えられます。対馬暖流はこれらの暖水渦の西側を北上し、岩内西方沖で暖水渦の北側を回って沿岸に向きを変え、その後積丹半島から北向きに流れているようです。水温についてみると、対馬暖流が平年同期より沖合(西側)を北上しており、暖水渦中心部付近では水温は平年より高くなっています。一方で暖水渦の東側では水温が低くなるため、茂津多岬西方および松前西方の沿岸側では平年より水温が非常に低くなっています。また、日本海北部では水温が全体に平年より低くなっています。
余市における5月上旬以降6月中旬までの沿岸水温(旬平均)は、6月上旬まで「平年並み」から「やや高い」で推移し、6月中旬に「かなり高い」となっています。
奥尻島西方の北緯42度20分、東経139度付近に暖水渦があります(100m層8℃以上)。また、岩内西方にも暖水渦があります(100m層7℃以上)。これら2つの暖水渦は、前回(4月)、松前西方と奥尻島西方にあった暖水渦がそれぞれ北上したものと考えられます。対馬暖流はこれらの暖水渦の西側を北上し、岩内西方沖で暖水渦の北側を回って沿岸に向きを変え、その後積丹半島から北向きに流れているようです。水温についてみると、対馬暖流が平年同期より沖合(西側)を北上しており、暖水渦中心部付近では水温は平年より高くなっています。一方で暖水渦の東側では水温が低くなるため、茂津多岬西方および松前西方の沿岸側では平年より水温が非常に低くなっています。また、日本海北部では水温が全体に平年より低くなっています。
余市における5月上旬以降6月中旬までの沿岸水温(旬平均)は、6月上旬まで「平年並み」から「やや高い」で推移し、6月中旬に「かなり高い」となっています。
道東太平洋海域
水温低め
道東沿岸は親潮でおおわれ、沿岸親潮(*1)の50m層で2℃以下の部分は、道東沿岸から襟裳岬を越えたところで途切れています。北緯41度、東経146度30分付近には200m層水温で5℃以上の暖水塊の一部が見えています。前回(4月)より北東へ移動しています。親潮は東経145度に沿って、厚岸沖から暖水塊と本州沿岸の津軽暖流の間を南下しています。また、100m層より浅いところでは、津軽暖流起源の暖水が襟裳岬南方から道東沿岸へ張り出しています。津軽暖流は渦モード(*2)ではありませんが、津軽暖流水の影響を受けて、襟裳岬南方では水温が平年より高いところがあります。暖水塊の影響を受ける、根室半島南方はるか沖の北緯41度付近は水温が平年より高いところがあります。親潮域の水温は全体的に低いところが多くなっています。
道東沿岸は親潮でおおわれ、沿岸親潮(*1)の50m層で2℃以下の部分は、道東沿岸から襟裳岬を越えたところで途切れています。北緯41度、東経146度30分付近には200m層水温で5℃以上の暖水塊の一部が見えています。前回(4月)より北東へ移動しています。親潮は東経145度に沿って、厚岸沖から暖水塊と本州沿岸の津軽暖流の間を南下しています。また、100m層より浅いところでは、津軽暖流起源の暖水が襟裳岬南方から道東沿岸へ張り出しています。津軽暖流は渦モード(*2)ではありませんが、津軽暖流水の影響を受けて、襟裳岬南方では水温が平年より高いところがあります。暖水塊の影響を受ける、根室半島南方はるか沖の北緯41度付近は水温が平年より高いところがあります。親潮域の水温は全体的に低いところが多くなっています。
道南太平洋海域
沿岸モード
津軽暖流は前回(4月)に引き続き、沿岸モード(*2)で東北沿岸を南下しており、50m層と100m層では八戸東方沖から襟裳岬へ向かって暖水が伸びています。噴火湾内の50m層では、3℃以下の沿岸親潮が広がっています。水温についてみると、0m層を除き平年より低いところが多くなっています。北緯41度40分東経142度00分(P54)の水温は平年よりやや低く、津軽暖流の東への張り出しはやや弱いようです。
津軽暖流は前回(4月)に引き続き、沿岸モード(*2)で東北沿岸を南下しており、50m層と100m層では八戸東方沖から襟裳岬へ向かって暖水が伸びています。噴火湾内の50m層では、3℃以下の沿岸親潮が広がっています。水温についてみると、0m層を除き平年より低いところが多くなっています。北緯41度40分東経142度00分(P54)の水温は平年よりやや低く、津軽暖流の東への張り出しはやや弱いようです。
オホーツク海海域
宗谷暖流順調
0m層水温が網走沖まで10℃以上となり、50m層でも知床半島先端まで6℃以上となっていることから、宗谷暖流は順調に流れ始めています。水温は0m層を除き、平年並みのところが多くなっています。
0m層水温が網走沖まで10℃以上となり、50m層でも知床半島先端まで6℃以上となっていることから、宗谷暖流は順調に流れ始めています。水温は0m層を除き、平年並みのところが多くなっています。
資料 (*3)
資料 | 観測期間 | 観測海域 |
---|---|---|
稚内水試(北洋丸) | 2003年5月26日〜5月28日 | (道北日本海海域) |
稚内水試(北洋丸) | 2003年6月2日〜6月5日 | (オホーツク海海域) |
釧路水試(北辰丸) | 2003年5月28日〜6月1日 | (道東太平洋海域) |
釧路水試(北辰丸) | 2003年6月4日〜6月12日 | (道東太平洋海域) |
釧路水試(北辰丸) | 2003年6月16日〜6月18日 | (道東太平洋海域) |
函館水試(金星丸) | 2003年5月26日〜5月29日 | (青森・秋田県西方日本海) |
函館水試(金星丸) | 2003年6月4日〜6月5日 | (青森・秋田県西方日本海) |
函館水試(金星丸) | 2003年6月16日〜6月19日 | (道南太平洋海域) |
中央水試(おやしお丸) | 2003年5月26日〜5月29日 | (道西日本海海域) |
中央水試(おやしお丸) | 2003年6月2日〜6月6日 | (道西日本海海域) |
*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。
*3:青森・秋田県西方日本海で金星丸による海洋観測が行われましたので、通常使用している青森県水産試験場の海洋観測結果は今回使用しておりません。
水温平面分布図
0メートル
50メートル
100メートル
200メートル
PDFファイル
水温鉛直断面図
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資源管理部 海洋環境グループ
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