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中央水産試験場

海況速報(2003年08月)

平成15年度 第3号(通算 No.93)
平成15年 8月 20日

北海道立水産試験場

7月下旬から8月上旬の海況

海域別情報

日本海海域
松前西方に暖水渦

岩内西方はるか沖では、はっきりとした暖水渦にはなっていませんが、対馬暖流が西側の沖合へ大きく迂回しており、この付近で暖水渦状の水温分布となっています。このことから、前回(6月)奥尻島北西沖にあった暖水渦は、やや北西方向へ移動したようです。また、松前西方に新たに暖水渦が見えます(200m層で3℃以上)。対馬暖流はこれら暖水渦の西側を北上しています。水温について見ると(平年偏差表参照)、北緯43度以北では、水温が平年より低いところが多くなっています。松前西方観測線(J5)では対馬暖流が例年より西側(沖側)を北上しており、沖合の表面以外は例年より水温が高くなっています。一方、松前西方の沿岸側では水温が平年より非常に低くなっており、津軽海峡西口(J6)では、平年より2~4℃水温の低いところがあります。江差沖の北緯42度東経140度の水温が周辺より低くなっていますが、これは局地的な風による沿岸湧昇と考えられます。余市における6月下旬以降8月上旬までの沿岸水温(旬平均)は、6月下旬から7月中旬までは「平年並み」から「やや低い」で推移しましたが、7月下旬から8月上旬にかけて、「かなり低い」となっています。
道東太平洋海域
暖水塊接近

道東太平洋海域は暖水塊の影響を受け、100m層で2℃以下の親潮でおおわれる範囲が前回(6月)より狭くなっています。この暖水塊の影響を強く受けた厚岸沖定線では、水温は平年より高く、前年同期に比べても2~6℃高い水温となっています。また、夏季に道東から襟裳岬へ向かって岸に沿って流れる道東沿岸流の50m層水温は、平年より3℃以上低くなっています。
道南太平洋海域
津軽暖流低温

100m層で10℃以上の津軽暖流は,襟裳岬南西方の東経142度40分付近まで張り出しており,渦モード(*1)となっています。また,50m層で10℃以上の津軽暖流水が白老沖にありますが、噴火湾口には到達していないようです。水温について,平年より低いところが多く、特に尻屋崎北方沖定点(北緯41度30分東経141度20分P66)の0m層および50m層では平年より4℃以上低く、非常に低い水温となっています。さらに表層水温は平年より2℃以上低いところが多くなっています。
オホーツク海海域
冷水帯出現

表面水温14℃以上の海域は網走沖まで達しており,50m層でも知床半島沖まで10℃以上となっていることから,宗谷暖流は順調に流れているようです。宗谷海峡東方から浜頓別沖にかけて,宗谷暖流の沖側に表面水温で11℃以下の冷水帯が形成されています。水温についてみると,全体的に平年より低くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水セ(東奥丸) 2003年7月31日〜8月1日 (東北日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2003年7月28日〜7月31日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2003年7月22日〜7月24日 (道南日本海海域)
函館水試(金星丸) 2003年7月28日〜7月31日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2003年7月24日〜7月27日 (道北日本海・オホーツク海海域)
中央水試(おやしお丸) 2003年7月28日〜8月1日 (道北・道西日本海海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

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水温鉛直断面図

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