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中央水産試験場

海況速報(2003年12月)

平成15年度 第5号(通算 No.95)
平成15年 12月 29日

北海道立水産試験場

11月下旬から12月中旬の海況

海域別情報

日本海海域
暖水渦?

荒天のため、積丹半島以南の海域は十分に観測ができませんでした。水温分布図には見えませんが、衛星画像を見ると、積丹半島はるか西方沖に暖水渦があるようで、この暖水渦の東側に北から冷水域が南下しているようです。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)、100m以深で水温の低いところが多くなっています。余市における11月上旬以降12月中旬までの沿岸水温(旬平均)は、11月は「やや高い」となっていましたが、12月に入り「平年並み」に推移しました。
道東太平洋海域
低温継続

道東太平洋海域も荒天のため一部欠測となっています。水温分布図には見えませんが、衛星画像を見ると、北緯41度、東経146度付近には暖水塊があるようです。沿岸側では親潮系水(100m層で5℃以下)が大陸棚上を襟裳岬南方まで張り出しています。水温偏差について見ると、観測を実施できた範囲では全体的に平年並みからやや低いところが多くなっています。
道南太平洋海域
津軽暖流渦モード

100m層で10℃以上の津軽暖流は,道南太平洋海域を広く覆い、襟裳岬南方の東経143度30分付近まで張り出しています。津軽暖流は前回(10月)に引き続き渦モード(*1)となっています。また、この津軽暖流水と道東から流れてくる親潮系水の間で水温差が大きくなっています。水温偏差について見ると,白老沖定線の津軽海峡東方の100m層以浅で水温が低くなっていますが、白老沖定線の噴火湾側の200m層では水温の高いところが多くなっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流強め

沖合には0m層で4℃以下の東カラフト寒流が見えていますが、宗谷暖流は湧別沖まで0m層で9℃以上のところが見られ、宗谷暖流は例年より強めです。水温偏差についてみると、宗谷暖流域で水温が高いところが多くなっており、紋別沖では平年より4℃以上も水温が高くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水セ(東奥丸) 2003年12月1日〜12月2日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2003年11月25日〜11月28日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2003年12月1日〜12月3日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2003年11月24日〜11月28、12月5日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2003年12月10日〜12月12日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2003年12月2日〜12月6、12月15日〜16日 (道西日本海海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

PDFファイル

水温鉛直断面図

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