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中央水産試験場

海況速報(2008年04月)

平成20年度 第1号(通算 No.121)
平成20年05月01日

北海道立水産試験場

4月上旬から4月下旬の海況

海域別情報

日本海海域
対馬暖流が本道西岸に沿って流れています。その流量は,北緯42度30分のJ4線で,この時期の例年の4分の1以下と,極端に少なくなっています。
水温は,海面ではほとんどの地点で例年並みですが,深度50m,100m,200mでは例年よりも低い地点が広くみられます(水温偏差表参照)。この低水温化は積丹半島以北の海域で顕著であり,その要因の1つとして,前述した対馬暖流の流量が少ないことによる熱輸送量の低下が考えられます。
余市における旬平均水温は,3月下旬が「かなり高い」でしたが,4月中は「やや高い」でした。
道東太平洋海域
沿岸親潮(*1,指標:水温2℃以下)が道東の沿岸に沿って流れています。また,道東沖合には黒潮系北上暖水がみられます。北上暖水の中心は41-30N,145-00E付近にあり,中心付近の水温は約7℃(深度50m)です。
水温は,北上暖水が分布する海域で,海面から深度150mまで,例年よりも1~3℃高くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
沿岸親潮が道南の沿岸に沿って流れています(50m層水温2℃以下)。また,この沿岸親潮の一部が噴火湾に流入しています。なお,津軽暖流は,衛生画像から,沿岸モード(*2)です。
水温は,表面では例年並みですが,白老南方の深度50m,100m,200mでは例年よりも低い地点が広くみられます(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流は,宗谷海峡付近では海面から海底まで流れていますが,それよりも南の海域では潜流となって流れています。
表面水温の水平分布から,水温0℃以下の冷水域が,浜頓別沖と紋別沖に,パッチ状に出現しています。表面水温は,この冷水域の及ぶ地点で例年よりも低く,その他の海域では例年並みか約1℃高くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
釧路水試(北辰丸) 2008年04月14日〜04月17日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2008年04月11日〜04月15日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2008年04月10日〜04月15日 (道西道南日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2008年04月10日〜04月17日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2008年04月21日〜04月24日 (オホーツク海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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