対馬暖流は，道南ではやや沖合を流れていますが（指標：100m層水温6℃以上），積丹半島沖では，沖合冷水（指標：100m層水温4℃以下）が本道側へ張り出しているため，沿岸寄りを流れています。対馬暖流の流量は例年並みですが，積丹半島沖では流幅が狭くなっており，強い北上流になっています。
水温は，道南の対馬暖流が流れる海域で例年よりも1～3℃高く，沖合冷水が張り出す海域で例年よりも1～2℃低なっています（水温偏差表参照）。
余市における旬平均水温は，5月上旬に「やや低い」になりましたが，その後は「例年並み」になっています。

前回に引き続き道東海域を広く親潮が覆っており，一部はえりも岬を超え，道南太平洋へ流入しています。また，えりも岬のはるか南方の北緯41度，東経144度には，津軽暖流から派生した暖水域がみられます。
水温は，ほぼ例年並みですが，津軽暖流水の分布域で2～4℃高くなっています（水温偏差表参照）。

道南海域の沿岸側を親潮が流れ，苫小牧沖に達しています（指標：100m層水温3℃以下）。津軽暖流は渦モード（*1）へ移行中のようです（指標：100m層水温7℃）。
水温は，親潮の分布する海域で例年よりも1～4℃低くなっています（水温偏差表参照）。

宗谷暖流がオホーツク海沿岸を順調に流れています。
水温は，表面で昇温が遅れ，例年よりも1～4℃低くなっています（水温偏差表参照）。

＊1：津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して，津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を，津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。