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中央水産試験場

海況速報(2011年08月)

平成23年度 第3号(通算 No.141)
平成23年8月11日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

7月下旬~8月上旬の海況

海域別情報

日本海海域
対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,道南の松前沖では沿岸寄りを流れていますが,積丹半島西方では,暖水渦(指標:200m層水温4℃以上)が形成されているため,この渦の西方を大きく迂回し流れています。また,石狩湾の北西沖では,沖合冷水(指標:100m層水温5℃以下)が本道側へ張り出しているため,対馬暖流は石狩湾まで東進し,その後北上しています。対馬暖流の流量は例年並みになっています。
水温は,表面で例年よりも1~3℃高い海域が広くみられます。しかし,50m層水温では,道北を中心に例年よりも1~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。また,松前南西海域では,50~100m層で例年よりも4~5℃低い低温域があります(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,6月下旬と7月上旬が「やや低い」でしたが,7月下旬から「やや高い」になっています。
道東太平洋海域
黒潮系北上暖水(50m層水温10℃以上)が,北緯41度50分以南の海域を広く覆っています。また,道東の沿岸では,道東沿岸流(*1)が流れています。
水温は,黒潮系北上暖水が分布する海域で,例年よりも3~8℃高くなっています(水温偏差表参照)。また,親潮上流域であるP1線の表面では,水温が例年よりも2~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は渦モード(*2)へ移行中です(指標:100m層水温10℃)。
水温は,東経141度線の50m層と100m層を中心に,例年よりも1~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流がオホーツク海沿岸を順調に流れています。また,宗谷岬東方の表面では,下層水の湧昇による冷水域がみられます。
水温は,表層の沖合域で例年よりも3~4℃高くなっているほかは,例年並みです(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2011年7月25日〜7月27日 (オホーツク海海域)
稚内水試(北洋丸) 2011年7月28日〜7月31日 (道北道西日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2011年7月26日〜8月1日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2011年7月28日〜7月31日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2011年7月25日〜8月3日 (道南日本海海域)

*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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