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中央水産試験場

海況速報(2011年12月)

平成23年度 第5号(通算 No.143)
平成24年1月18日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

11月下旬~12月上旬の海況

海域別情報

日本海海域
松前西方と積丹半島西方に暖水渦(前者の指標:100m層水温8℃以上,後者の指標:200m層水温4℃以上)があります。松前西方の渦は勢力が強く,江差沖は強い南下流になっています。また,せたな沖では沖合冷水の差し込みがみられます(指標:100m層水温4℃以下)。このため,対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は渦の西側,冷水の東側を流れており,蛇行した流路になっています。対馬暖流の流量は,前回10月に引き続き例年よりも少なく,例年の6割程度になっています。
水温は,全体的に例年よりも低めですが,暖水渦が分布する海域では例年よりも高く,松前西方の暖水渦では7℃程度高くなっています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は11月上旬から低下傾向にあり,12月下旬と1月上旬では「やや低い」になっています。
道東太平洋海域
道東沿岸では,道東沿岸流(*1)が流れています(指標:50m層水温8℃以上)。根室半島沖では例年よりも道東沿岸流の幅が広がっています。また,道東沖の深度100m以深では親潮(指標:水温5℃以下)が沿岸部を除くほぼ全域に分布しています。黒潮系北上暖水は明瞭にはみられません。
水温は,例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。特に,例年黒潮系北上暖水が分布する道東のはるか沖合では,今回は黒潮系北上暖水の影響が少ないため,水温は例年よりも1~5℃低くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は前回に引き続き,渦モード(*2)から沿岸モード(*2)へ移行中です(指標:100m層水温10℃)。
水温は,道東からの海水の流入がみられる浦河沖で例年よりも1~2℃低くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
時化により,OA0線のみの観測になりました。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2011年11月23 (オホーツク海海域)
稚内水試(北洋丸) 2011年11月29日〜12月2日 (道北道西日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2011年11月29日〜12月1日 (道東太平洋海域)
釧路水試(北辰丸) 2011年12月1日〜12月2日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2011年11月26日〜11月30日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2011年12月6日〜12月10日 (道南日本海海域)

*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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