平成25年8月5日
北海道立総合研究機構 水産研究本部
7月下旬~8月上旬の海況
海域別情報
日本海海域
積丹半島の北西沖に強い暖水渦が形成されています(指標:200m層水温6℃)。また,日本海のはるか沖合から石狩湾にかけて沖合冷水が張り出しています(指標:200m層水温3℃以下)。このため,対馬暖流は積丹半島までは沿岸よりを北上していますが,積丹半島付近で大きく北西方向へ迂回し,蛇行した流路になっています。
対馬暖流の流量は,例年よりも5割程度多くなっています。
水温は,表面では全域にわたり,例年よりも1~3℃高くなっています(水温偏差表参照)。また,50m~100m層では,蛇行した対馬暖流の幅が広がった海域で,例年よりも水温が3~7℃高くなっています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,6月中旬から平年よりも高く推移し,7月中旬からは「かなり高い」状態が持続しています。
道東太平洋海域
親潮系水(指標:100m層水温5℃以下)が道東海域を広く覆っており,道東沿岸の根室から釧路にかけては,50m層水温5℃以上の道東沿岸流(*1)が流れています。また,沖合の北緯42度,東経146度の海域では深度50mを中心に黒潮系北上暖水(指標:50m層水温7℃以上)がみられます。
水温は,表面ではほぼ全域にわたり,例年よりも1~3℃高くなっていますが,下層では黒潮系北上暖水の分布する海域を除き,例年よりも低い海域が多くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は渦モード(*2)です。また渦から派生した流れが苫小牧沖に達しています(指標:100m層水温10℃以上)。
水温は全体的に例年並の海域が多くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流(指標:50m層水温7℃以上)がオホーツク沿岸を順調に流れており,知床半島を離岸後北緯45度海域まで北上しています。
水温はオホーツク沿岸域で例年並みですが,知床半島北方の北緯45度の海域では例年よりも最大で11℃高くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 | 観測期間 | 観測海域 |
---|---|---|
稚内水試(北洋丸) | 2013年7月29日〜8月1日 | 道西道北日本海海域 |
稚内水試(北洋丸) | 2013年7月22日〜7月24日 | オホーツク海海域 |
釧路水試(北辰丸) | 2013年7月23日〜7月29日 | 道東道南太平洋海域 |
函館水試(金星丸) | 2013年7月29〜7月31日 | 道西道南日本海海域 |
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。
水温平面分布図
表面水温
50m層水温
100m層水温
200m層水温
PDF版
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