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中央水産試験場

海況速報(2013年10月)

平成25年度 第4号(通算 No.154)
平成25年11月12日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

9月中旬~10月下旬の海況

海域別情報

日本海海域

前回8月に引き続き,積丹半島の西方沖に強い暖水渦が形成されています(指標:200m層水温6℃以上)。また,日本海のはるか沖合からせたな沖にかけては沖合冷水が張り出しています(指標:100m層水温3℃以下)。このため,対馬暖流はせたな沖では沿岸寄りを流れていますが,積丹半島付近では暖水渦の西側へ大きく迂回し流れています。

対馬暖流の流量は,例年よりも2割程度多くなっています。

水温は,表面では全域にわたり,例年よりも1~3℃高くなっています(水温偏差表参照)。50m~100m層水温では,宗谷海峡西方沖で2~3℃,積丹半島西方沖で2~5℃,松前西方沖で2~5℃例年よりも高くなっています(水温偏差表参照)。一方,北緯42度30分と北緯44度30分では,50m~100m層水温は例年より2℃程度低くなっています(水温偏差表参照)。

余市における旬平均水温は,7月中旬から低下傾向にありましたが,10月中旬から上昇傾向に転じ, 11月上旬では「やや高い」になっています。

道東太平洋海域

  道東沿岸の根室からえりも岬にかけては道東沿岸流(*1)が流れており(指標:100m層水温6℃以上),その沖合には親潮系水(指標:100m層水温5℃以下)が道東海域を広く覆っています。また,沖合の北緯41度,東経144度の海域では黒潮系北上暖水(指標:200m層水温7℃以上)が全深度にわたりみられます。

水温は,表面で例年よりも低い海域が多いですが,道東沿岸流が流れる道東沿岸の100m層では例年よりも3~4℃,黒潮系北上暖水の分布域では例年よりも2~8℃高くなっています(水温偏差表参照)。

道南太平洋海域

津軽暖流は渦モード(*2)から沿岸モード(*2)へ移行中です(指標:200m層水温7℃以上)。

水温は全体的に例年並ですが,えりも岬沖では,津軽暖流が例年よりも早く沿岸モードへ移行し始めているため,例年よりも2~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。

オホーツク海海域

宗谷暖流(指標:50m層水温7℃以上)がオホーツク沿岸を順調に流れています。また,宗谷暖流の幅は例年よりも広くなっています。

水温は宗谷暖流が流れる沖合の海域で例年よりも2~4℃高くなっています(水温偏差表参照)。

資料

資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2013年9月18日〜9月19日 オホーツク海海域
稚内水試(北洋丸) 2013年9月24日〜9月26日 道北日本海海域
釧路水試(北辰丸) 2013年9月19日 オホーツク海海域
釧路水試(北辰丸) 2013年10月23日〜10月25日 道東太平洋海域
函館水試(金星丸) 2013年9月24日〜9月29日 道西道南日本海海域
函館水試(金星丸) 2013年10月28〜10月31日 道南太平洋海域
*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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