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栽培水産試験場

ハタハタ(初期生態)

ハタハタ

日高系ハタハタの初期生態

ししゃもこぎ網漁業では漁獲対象である成魚(1歳魚と2歳魚)のほかに当歳魚(0歳魚)も混獲されます。当歳魚は体長5~8センチメートル程度の小型魚でその年には商品価値はありませんが、翌年以降には漁業を支える貴重な資源となります。  資源の無駄遣いとなる当歳魚の混獲を減らすことを目的に、ししゃもこぎ網の適正な目合を検討しました。

日高沿岸に生息するハタハタ(日高系ハタハタ)の幼稚期の生態を明らかにするため、そりネットを用いてハタハタ幼稚魚の採集調査を行いました。


    • 採集したハタハタの稚魚
    • 幼稚魚採集用そりネットと調査の様子
    • 2000年の漁獲物に対する目合別のシミュレーション結果

      (左:体長組成 右上:漁獲尾数 右下:漁獲量)

調査の結果、日高系ハタハタの初期生態をほぼ解明することができました。

ハタハタ稚魚はふ化から6月頃までは沿岸の産卵場付近に分布していますが、その後次第に周辺域に分散し、一部は港内等の静穏域に入ってくるものと考えられます。

また、日本海に生息するハタハタとは異なり、親魚になるまで沿岸域に留まって成長する群が存在することも明らかになりました。

これら新たに得られた知見は、種苗放流事業や藻場造成事業等の効果向上に役立つことが期待されます。

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