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林業試験場

マツノシントメタマバエ

マツノシントメタマバエ
被害の特徴
樹 種 アカマツ、クロマツ。
時 期 春~夏(幼虫加害時期)。
部 位 冬芽。
状 態 冬芽が白く膨らむ。大きなものは直径6mmくらいに達する。
中にオレンジ色の幼虫が多数いる。体長最大約3mm。脚がない。

和名  マツノシントメタマバエ

学名  Contarinia matsusintome

分類  ハエ目(双翅目)Diptera、タマバエ科Cecidomyiidae


分布  北海道。本州・四国・九州、朝鮮半島(文献1943)。

形態  上述のとおり(文献1943)。

生態  宿主はアカマツ、クロマツ(文献1943)。
 年1開発生;成虫は9月中旬~10月中旬に出現;雌は冬芽内に産卵する;芽内で幼虫で越冬;翌春、5月頃から芽内部で吸汁して生長する;芽はこの刺激により漸次膨大し、8月頃には大きなものは直径6mmくらいに達する;内部には数匹から30匹位の幼虫が認められる;老熟した幼虫は8月中旬から9月上旬に、雨天や霧の日を選び、外に出て地中に潜る;地中で繭を作り蛹化する(文献1943)。

被害と防除  寄生を受けた芽は虫こぶになり生長は停止する;年々被害が繰り返されると樹形が不整になる;新植地の生育不良な木に被害が多い(文献1943)。
 被害の激しい幼齢木は春・夏に除去する(文献1943)。


文献
[1943] 松下眞幸, 1943. 森林害蟲學. 410pp. 冨山房, 東京. (形態、生態、被害、防除、過去の文献;なお、上記引用部分の出典は確認していない)
[1985] 林康夫・吉田成章・小泉力・高井正利・秋田米治・福山研二・前田満・柴田義春・中津篤・田中潔・遠藤克昭・松崎清一・佐々木克彦, 1985. 北海道樹木病害虫獣図鑑. 223pp. 北方林業会, 札幌. (生態、被害、カラー写真)

20011/3/31