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林業試験場

カラマツオオアブラムシなど

カラマツオオアブラムシなど

写真1 カラマツイボオオアブラムシ、最大長約2.5mm。美唄、グイマツF1上、2001/8/8。

写真2 カラマツミキオオアブラムシ。美唄。2003/9/16。

被害の特徴
樹 種 カラマツ属。
部 位 枝や細い幹。
時 期 春~秋(加害時期)。
状 態 木が黒く汚れる。アブラムシが群棲する。体長最大5mm、茶色~黒色。

 以下の4種は寄主であるカラマツ属が北海道に自生しないため、北海道では外来種と考えられる。


分類  カメムシ目(半翅目)Hemiptera、アブラムシ科Aphididae


和名  カラマツオオアブラムシ

学名  Cinara laricicola

特徴  体長最大5mm。茶色から黒色。

分布  北海道・本州、シベリア、朝鮮半島。


和名  カラマツミキオオアブラムシ

学名  Cinara kochi

特徴  体長最大5mm。黒色、わずかに白粉を被る。

分布  北海道・本州。


和名  カラマツチビオオアブラムシ

学名  Cinara chibi

特徴  体長最大3mm。頭胸部は茶色、腹部は暗い茶色から黒色。

分布  北海道・本州・九州。


和名  カラマツイボオオアブラムシ

学名  Cinara laricis

特徴  体長最大5mm。茶色で白や灰色の斑点がある。

分布  北海道・本州、全北区。


生態  どの種もカラマツ属に寄生する。卵越冬。春に幼虫が孵化する。若い木の幹や枝に寄生し、春から秋にかけて吸汁する。その間に数世代を繰り返す。

カラマツオオアブラムシ被害観察地域 (樹木害虫発生統計資料に基づく)

被害と防除  カラマツの幼齢木に寄生し、著しい被害を与えるのはカラマツオオアブラムシとカラマツチビオオアブラムシである(文献1962)。北海道内ではカラマツオオアブラムシの多発がしばしば記録されており、ときに薬剤防除が行われている(樹木害虫発生統計資料参照)。 しかし、被害による樹勢の低下や木の枯死は記録がないようである。防除は普通必要ないと思われる。


文 献
[1962] 井上元則, 1962. カラマツを害するアブラムシの研究. 林業試験場研究報告, 139: 135-161, pls. 1-5. (形態、生態、被害)

2009/3/31