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林業試験場

ミヤマヒラタハムシ

ミヤマヒラタハムシ

写真1 幼虫、体長10mm。佐呂間町、ケヤマハンノキ、1991/6/10。

写真2 成虫、体長 6.5mm。写真1を飼育。

被害の特徴
樹 種 ケヤマハンノキ、ダケカンバ。
部 位 葉。
時 期 春~秋。
状 態 葉に穴が開く。幼虫や成虫がいる。幼虫は体長最大10mm前後、黒色で、体は後方に向かい徐々に細くなる。尾端は吸盤状。腹脚はない。成虫は体長7mm前後、扁平で緑~青色に輝く。
注) 幼虫はハンノキハムシの幼虫に似るが、出現時期が1ヶ月近く早く、体形や葉の食べ方も異なる。

和名  ミヤマヒラタハムシ

学名   Gastrolina peltoidea

分類  コウチュウ目(鞘翅目)Coleoptera、ハムシ科Chrysomelidae


寄主  ハンノキ属(ケヤマハンノキ)、カバノキ属(ダケカンバ)。

生態  年1回発生。成虫越冬。成虫は芽吹きの頃に越冬からさめ、食害しながら産卵する。幼虫は6月に出現。集団性、葉に穴を開けて食べる。葉上で蛹になる。7~8月に蛹から成虫が羽化し、初秋まで食害を続ける。その後、樹幹の祖皮下や落葉中で越冬に入る。

分布  北海道・本州・四国、シベリア東部、中国北部。

被害  道内では2001年に幌加内のケヤマハンノキで被害が観察された(文献2004)。


文献
[1956] 中根猛彦監修, 1956. 原色日本昆虫図鑑甲虫編, 増補改訂版: 1-274, pls 1-68. 保育社, 大阪. (分類、形態、生態)
[1963] 中根猛彦ほか, 1963. 原色日本昆虫大図鑑Ⅱ(甲虫篇): 1-18, 1-443, pls 1-192. 北隆館, 東京.
[1994] 木元新作・滝沢春雄, 1994. 日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説. 539pp. 東海大学出版会, 東京. (分類、形態、生態)
[1994] 奥田素男, 1994. ミヤマヒラタハムシ. 小林富士雄・竹谷昭彦(編集), 森林昆虫, 総論・各論: 360-361. 養賢堂, 東京. (形態、生態、防除)
[2004] 尾崎研一・原秀穂, 2004. 2001年に北海道で発生した森林昆虫. 北方林業, 56: 34-36.

2009/3/31