法人本部

リンゴ

第21話   北海道のおいしいリンゴたち

道総研 中央農業試験場 内田 哲嗣

 

皆さんはリンゴの品種と言ったらどんな品種を思い浮かべるでしょうか。

 

現在、店頭によく並んでいるリンゴといえば、「ふじ」、「つがる」、「王林」といった品種ですが、懐かしいリンゴといえば、「国光(こっこう)」、「紅玉」、「印度」でしょう。

全国的には「ふじ」が生産量の半分を占めていますが、「ふじ」は成熟期が遅いため、北海道では良品生産が難しく、そのため、より早く熟す「つがる」、「あかね」、「きたかみ」などの品種が栽培されるようになりました。

統計によると、北海道では、平成21年で36品種が栽培されており、各農家で試作している品種を含めと50品種以上が栽培されていると思われます。

しかし、これらの品種の大部分は、生産量が少なく、スーパーなどの店頭には並びません。色とりどりの個性的なリンゴたちに出会うには、産地に直接出向くのが一番です。果樹園の直売所や“道の駅”にはその時々の旬のリンゴが売られています。

 

道総研HP掲載用 りんご 【ぐんま名月】.jpg  中央農業試験場では新しい品種が北海道での栽培に適するかどうかを調査しています。その中でも近年注目しているのは、皮が黄色いリンゴです。ここでは、その一部をご紹介します。

 「トキ」は、「王林」の子供なのでとても甘く、全国的にも栽培が増えています。名前の由来は鳥のトキではなく、育成者の名字から来ています。収穫期は10月中旬です。

「きたろう」は、見た目は少し悪いのですが、甘さと酸味のバランスが良くさわやかな食味です。ユニークな名前には、黄色い外観と、北の地方に向いたリンゴの意味が込められているそうです。収穫期は10月末から11月中旬です。

 

「ぐんま名月」は、やや緑色で酸味は少なく、甘いリンゴが好きな人にぴったりの品種です。昨年七飯(ななえ)町で「ななみつき」という名前で商標登録を行い、特産化に向けた取り組みを行っています。収穫期は11月中旬です。

「シナノゴールド」は、収穫直後はナシのような食感で、酸味が強く好みが分かれますが、貯蔵後に食べるとおいしくなる不思議なリンゴです。収穫期は11月上旬です。

 

 

道総研HP掲載用 りんご 【ほおずり】.jpg  また、皮が赤いリンゴでは、最近は甘いリンゴばかりで物足りないと感じている方におすすめがあります。「ほおずり」は10月末から11月初旬に収穫でき、全面真っ赤になるリンゴです。甘いリンゴの代表格「つがる」の 2.5倍以上、「ふじ」と比べても2倍近い酸味があります。「紅玉」が親なので料理にも向きます。

このほかにも様々な個性的なリンゴがあります。ぜひリンゴ産地に行って好みのリンゴを探してみてください。

 

 

 

 

 

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次回は11月の予定です。