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工業試験場

技術支援成果24/エネルギー関連技術(短期実用化)

技術支援成果24/エネルギー関連技術(短期実用化)

地中熱採熱孔の熱応答試験
Thermal Response Tests of Boreholes for Groud Source Heat Pump

環境エネルギー部 岡  喜秋
ものづくり支援センター  保科 秀夫
■支援の背景
 地中熱ヒートポンプによる住宅などの暖房・給湯は、年間をとおして温度の安定した地中熱を熱源として利用するので 北海道に最も適した方式といえます。しかし、地中熱の採熱量は、採熱層の土質性状、地下水位、帯水層の分布や流速など 地下環境の影響を受けることから、事前にボアホールの採熱量を見込んでおく必要があります。本年度、帯広市内の企業から、 掘削したボアホールの熱応答試験に関する指導依頼があり、ヒートポンプ利用に関しての技術支援を行いました。

■支援の要点
1.採熱孔掘削の検討
2.熱応答試験
3.採熱量などの熱計算


    地中熱ヒートポンプ暖房のしくみ       採熱孔への配管             熱応答試験装置            

■支援の成果
1.掘削したボアホールは直径150mm、深さ85mです。掘削後に採熱管として高密度ポリエチレン製の25AのU チューブを挿入しました。地質は砂礫、シルト、火山灰などで、地下水位はGL下15mほどです。挿入した採熱管 周囲の隙間を埋めるために、硅砂を充填しました。
2.写真に示す熱応答試験装置により熱伝導率λを測定した結果、1.4W/(m・K)となり、道内各地で測定されている 値とほぼ同様な数値でした。
3.採熱量としては、85mのボアホール1本あたり2.5~3.0kWが可能で、ヒートポンプ暖房の出力は5.0kWほどに なります。普通規模の高断熱住宅一軒程度の暖房が可能です。暖房方式は、低温度の温水で暖房可能な 床暖方式が最適です。

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