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工業試験場

技術支援成果12/環境関連技術

技術支援成果12/環境関連技術
技術指導
共同分析研究会による環境分析技術に関する技術支援
Technical Assistance for Environmental Analysis by Interlaboratory Study
環境エネルギー部  富田 恵一・若杉 郷臣・髙橋 徹・長野 伸泰

■支援の背景

北海道には現在、支所等も含め環境分析を行う計量証明事業所が約60事業所あります。 これらの事業所の分析技術の向上のため、昭和54年より年1回の頻度で共通試料を用いた共同分析を実施してきました。 有害元素を適当な濃度含有する均一な環境試料を分析事業所に配布し、報告された分析結果及び手法条件等に関し、 結果の統計処理にとどまらず、いろいろな角度から解析および検討しています。 また、分析結果と同時に寄せられた分析法に関する質問に対して、文献調査及び当場においての実験結果を示すなどにより回答してきました。

毎年、多くの事業所から同様の質問が寄せられている状況から、 分析操作に関して論文や成書にはあまり記載のないノウハウの継承が難しくなっている現状が明らかになってきました。

■支援の要点

  1. 各種環境試料において最適な分析フローを決定するための方法論の紹介
  2. 環境分析における前処理法、各測定元素および測定装置に関する留意点と対処法
  3. 環境分析で特に問題になるコンタミネーションに関する留意点と対処法

 

■支援の成果

  1. 各測定装置の感度と環境規制値、適切な前処理、操作の簡便性などを総合的に勘案しながら、 各環境試料と分析項目に応じた最適な分析法の決定方法について例示しました。
  2. 分析に用いられる各種化学操作の原理についての解説をはじめ、 分析値がばらつきやすいひ素、水銀など測定元素特有の問題点と対処法について、 また、干渉が現れやすい測定法である電気加熱原子吸光法やICP-MS法などを中心に、 留意点とその対処法を取りまとめました。
  3. 環境分析における大きな誤差の原因になるコンタミネーションに関して、 使用する器具や試薬の種類、実験操作など特に留意すべき点について実例とともに解説しました。
  4. 毎年多くの事業所から寄せられる質問に関して、 特に論文や成書にはあまり記載のない細かい留意点やノウハウ等を含めて項目ごとに整理し、 技術資料小冊子「環境測定分析方法の解説」に取りまとめました。 この冊子は計量証明事業所に配付し、実務担当者に参考にしていただいています。

 

財団法人北海道環境科学技術センター
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