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工業試験場

研究開発成果3/製品の高度化

研究開発成果3/製品の高度化

パターン認識技術を用いた設備診断システムの開発
Development of Machine Condition Diagnosis System using Pattern Recognition

製品技術部  神生 直敏・飯田 憲一・畑沢 賢一・鶴谷 知洋
■研究の背景
 工場のプラントや生産ラインで高稼働率かつ安定的な生産を維持するためには、設備機器の故障兆候を早期に発見して、保全(メンテナンス)を行う「設備診断技術」を導入することが効果的です。
 生産設備で多く見られる機械振動波形や圧力波形等の多次元測定データを、パターン認識技術を用いて、設備診断熟練者でなくても生産設備の総合的な診断を可能とし、工場での生産性および品質向上を図る中小企業向けの診断システムを開発しました。

■研究の要点
1.診断システムに用いる特徴の抽出方法や各種パターン認識手法の検討
2.機械の通常時および異常時における振動などのデータ収集
3.単一種類のデータによる診断システムの試作、有効性検証
4.複数種類の情報を基にした設備保全診断システムの開発

実験データの収集風景
     開発したシステム

■研究の成果
1.特徴の抽出手法に「波形微積分特性」を用い、パターン認識手法にMT(マハラノビス・タグチ)
  システムを用いることで、良好な判定精度を持ち、異常度も数値で表現できることが分かりました。
2.「設備性能測定システム」により、正常時及び異常時の設備稼働データを測定した結果を基に、
  MTシステムを用いた振動データの診断システムを試作し、有効性を確認しました。
3.振動、温度、回転数の多種類データを用いた総合的な診断システムを開発して、工場設備に適用し
  たところ、良好な判定結果が得られました。
(独)雇用能力開発機構 北海道センター
            ※本研究で使用した設備性能測定システムは、JKA補助事業により整備されました。
お問い合わせ先
ものづくり支援センター工業技術支援G
TEL:011-747-2345
FAX:011-726-4057
E-Mail:iri-shien@ml.hro.or.jp