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工業試験場

研究開発成果15/新材料の開発と利用・道内資源の有効利用

研究開発成果15/新材料の開発と利用・道内資源の有効利用

超臨界乾燥を利用した微粉砕物の評価
Development of Analytical Method for Size and Shape of Ultrafine Grinded Materials with Supercritical Drying

環境エネルギー部 松嶋 景一郎・浦 晴雄・鎌田 樹志・内山 智幸

■研究の背景
 当場では、溶解性や消化吸収性などの機能性向上や新規の機能を有する「ナノスケール食品素材」の開発を目的に、 北海道の水産資源を対象とした湿式メディアミル による微粉砕技術を検討してきました。粉砕物の粒度および形状の解析は、最も基本的かつ重要な評価です。 しかし、微粉砕により粒子の表面積が増大するため、生成したスラリーから粉砕物を得ようとすると、 通常の乾燥法では強固な凝集体を形成してしまいます。
 そこで、表面張力を生じさせずに分散媒を除去することが可能な超臨界乾燥法を用いて、粉砕後のスラリーから 乾燥粉末を得る手法を検討し、粉砕物の粒度および形状評価法の開発を行いました。

■研究の要点
1.超臨界乾燥に適した分散媒の選定
2.乾燥前処理法の検討
3.超臨界乾燥条件の最適化
4.画像解析処理法の検討

(1)通常乾燥法 (2)超臨界乾燥法
ホタテ貝柱微粉砕物のSEM画像
ホタテ貝柱粉砕物のSEM画像解析による粒度分布測定結果

■研究の成果
1.超臨界乾燥法を用いることにより、微粉砕後のスラリー中の分散状態を維持したまま、乾燥粉砕物を得る
  手法を開発しました。
2.超臨界乾燥により得られた微粉砕物は、SEM像の画像解析により、粒度および形状を評価することが可能と
  なりました。

(独)水産総合研究センター
水産研究本部網走水産試験場
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