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工業試験場

研究開発成果21/エネルギー関連技術

研究開発成果21/エネルギー関連技術

定温小口輸送容器の開発
Development of Constant Temperature Transportation Package

支援センター     白土 博康
環境エネルギー部  富田 和彦
材料技術部     堀川 弘善

■研究の背景
 試薬・検体に代表される医薬品、コンビニ等で販売される弁当等の食料品、精密機器の品質保持にあたっては、 熱や結露等による品質の劣化を防ぐため、一定温熱環境で輸送する必要があります。 このため、これらの被輸送物を定温保持輸送するにあたり、従来から冷凍機・ヒーターを運転制御した定温輸送コンテナを用い、 陸上や航空輸送が行われています。しかし、コンテナから降ろした営業車輌内等においては、 被輸送物の温度が上昇し熱劣化を起こす場合や結露・凍結する場合があり、管理が不十分でした。 そこで、潜熱蓄熱材と断熱容器を組み合わせた定温容器を開発しました。

■研究の要点
1.既存蓄熱材の熱物性の把握と改善
2.新規蓄熱材の開発
3.断熱容器の熱物性の把握と改善
4.定温容器の性能試験

潜熱蓄熱材を封入した容器
開発した定温小口輸送容器

■研究の成果
1.既存蓄熱材の利用可能な潜熱量を大幅に増加させるとともに、さらに蓄熱量の高い新規蓄熱材を開発
  しました。
2.定温容器の評価試験により、容器内部を所定時間定温に保持できることを確認しました。
3.本研究成果で得られた定温小口容器は、商品名「TACPack」として商品化されました。

※本研究で使用した大型恒温恒湿室は、JKA補助事業により整備されました。
お問い合わせ先
ものづくり支援センター工業技術支援G
TEL:011-747-2345
FAX:011-726-4057
E-Mail:iri-shien@ml.hro.or.jp