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工業試験場

研究開発成果23/生活関連技術

研究開発成果23/生活関連技術

除湿型放射冷暖房パネルの冷房能力の評価
Performance Evalution of Radiant Cooling Panel with Condensation

環境エネルギー部   富田 和彦
技術支援センター   白土 博康
企画調整部    保科 秀夫

■研究の背景
 パネルヒータは寒冷地を中心に多くの建物で広く使用されていますが、その多くは道内で生産されています。近年、これらパネルメーカより冷 暖房兼用のパネルが商品化され、本州方面の事務所ビルを中心に徐々に普及しつつあります。また、プラスチックを素材とする道内メーカの新規 参入もあります。
 これらの背景において、設備設計者などから試験基準の整備が求められています。暖房能力の試験方法はJIS等で規格化さ れていますが、冷房能力についての規定はありません。そこで、この除湿型冷暖房パネルについての性能評価、ならびにメーカの新商品開発、性 能改善等の技術支援に資するため、工業試験場における新たな依頼試験項目(除湿型冷暖房パネルの冷房能力試験)の開設に向けた研究に取り組んでいます。

■研究の要点
1.市販パネルを用いた非除湿運転条件下における暖冷房能力試験
2.市販パネルを用いた除湿運転条件下における冷房能力試験
3.パネル面のぬれ性と除湿能力の関係把握(除湿能力試験)
4.依頼試験のための除湿能力試験基準案の作成


   除湿能力試験                       結露水重量変化の比較                  

■研究の成果
1.非結露時の冷房能力は、室温と平均水温の温度差が同一でも、暖房時の85%程度の能力しか示さないことが
  わかりました。
2.除湿能力はパネル表面と室内の絶対湿度差に支配され、パネル表面のぬれ性に関係しないことがわかり
  ました。
3.ぬれ性に優れる親水性付与のパネル面は、結露水の落下開始時間が早く、速やかに結露水を室外に排出
  可能であることから、 立ち上がり時や除湿負荷の小さな低湿度条件で有効であることを明らかにしました。
4.除湿能力を求める実験式、及び暖房能力試験から結露時の冷房能力を予測する簡略式を提案することが
  できました。

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