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工業試験場

研究開発成果16/エネルギー関連技術

研究開発成果16/エネルギー関連技術

小型燃料電池の寒冷地対策技術
Countermeasure Techniques for Water Freezing of Small Fuel Cells

環境エネルギー部  白土 博康・保科 秀夫・富田 和彦
ものづくり支援センター 保科 秀夫
■研究の背景
 ユビキタス社会を迎え、高い電力量を必要とする携帯・無人端末が求められておりますが、 リチウムイオン電池の大幅なエネルギー密度の改善は困難であること等から、高いエネルギー密度の 燃料が使用できる燃料電池が代替電源として期待されています。
 しかしながら、小型燃料電池は電極界面での水分の凍結のため、発電が維持できない課題がありました。 本研究はこの課題の解決を目指し、電極への不凍液の注入等、基礎的な対策技術について研究を実施しました。

■研究の要点
1.不凍液の導入による電池電極の凍結防止方法の検討
2.ガス拡散層の検討
3.氷点下で発電可能な最小電池容量の検討


          注入方式による不凍液の注入             バブリング方式による不凍成分の投入

■研究の成果
1.利用可能な不凍液のスクリーニングを行い、酢酸カリウム水溶液を選択しました。
2.無加湿運転や不凍液を電極に微量に注入する方法よりも、バブリング加湿(ミスト状)で不凍成分を与える方が発電維持時間を長くすることができましたが、実用的には、外部エネルギーの投入が必要であることが分かりました。
3.電極のガス拡散層として、カーボンクロスが適していることが分かりました。
4.数10W程度の電池容量の場合、周囲温度-10℃から起動が可能であることが分かりました。

お問い合わせ先
ものづくり支援センター工業技術支援G
TEL:011-747-2345
FAX:011-726-4057
E-Mail:iri-shien@ml.hro.or.jp