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工業試験場

研究開発成果20/エネルギー関連技術

研究開発成果20/エネルギー関連技術
住宅用普及型放射冷暖房システムの開発
Development of Radiation Cooling and Heating System for Residential Use
環境エネルギー部  白土 博康
ものづくり支援センター  保科 秀夫

■研究の背景

放射冷暖房システムは、放熱体から居住空間への対流熱伝達に加え、放射熱伝達を利用できることから、 熱源の省エネルギー性に寄与するとされています。また、放射効果や気流感がないことにより、 室内環境の快適性の面でエアコンに対して優れていることが知られており、 高齢化社会を迎え、ニーズが高い住宅機器です。 近年の建物の高断熱・高気密化やこれまで開発した安価で耐食性を有するプラスチック製の放射放熱体の導入により汎用性が増したことから、 放射冷暖房システムは、一般的にエアコンが使用されている本州の住宅にも普及する可能性がでてきました。 しかしながら、従来のプラスチック製の放射放熱体は空気中の水分を除湿するためにそれぞれにドレインパンを設置する必要がある上、 その除湿量も必ずしも多くありませんでした。 このため、夏期における除湿量の確保、冬期における暖房の補助を目的として、 新たに空気熱交換器を導入した普及型の放射冷暖房システムの開発に取り組みました。

■研究の要点

  1. 普及型放射冷暖房システムの基本設計
  2. 熱交換器の開発
  3. 熱交換器の除湿量・冷房能力の評価
  4. 熱交換器の暖房能力の評価

 

■研究の成果

  1. 従来の放射冷暖房システムに同一熱源を用いた熱交換器を導入するシステムを考案しました。
  2. 除湿量の増大、製作の容易さを目的に工夫を施した熱交換器を開発し、その除湿能力、暖房能力を 確認しました。
  3. 全体システムと熱交換器について特許出願を行いました。
  4. 今後は、本システムについて、実住宅での温熱環境・省エネルギー性評価を実施する予定です。

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