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工業試験場

研究開発成果22/エネルギー関連技術

研究開発成果22/エネルギー関連技術
パーム系廃食用油を原料としたB5燃料の開発
Development of B5 Diesel Fuel from Waste Palm Oil
環境エネルギー部  山越 幸康・上出 光志・北口 敏弘

■研究の背景

B5燃料(軽油に5%以下のバイオディーゼルを混合した燃料)は、「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」でも 軽油に区分されており、B100燃料(バイオディーゼル100%燃料)でトラブルが生じている新型車両にも使用することができるため、 今後、利用量が増大することが期待されています。また、B5燃料は、B100燃料に比べて低温下での流動性が良いため、 B100燃料の課題である冬季間利用の問題点が生じづらく、北海道内では特に利用量の増大が期待されますが、 これまで道内でB5燃料の長期間利用の取組みは、ほとんど行われていませんでした。本研究では、低温特性が悪いために、 従来B100燃料で使用されていないパーム油系廃食用油を原料としてB5燃料を製造し、その燃料で冬季間に実車での走行試験を行うことで、 道内でのB5燃料利用のための基礎データを得ることができました。

■研究の要点

  1. 原料油脂の性状及びバイオディーゼル燃料の性状の把握
  2. B5燃料及びB100燃料製造試験(基礎試験、実機試験)
  3. 実車での冬季間使用試験

 

■研究の成果

  1. パーム系廃食用油を使用して、品確法を満たすB5燃料を製造することができました。
  2. B5燃料を使用して、冬季間に実車での走行試験を行ったところ、厳寒期でもトラブル無く使用することができました。
  3. 本取組み事例は、北海道建設新聞(2011年9月29日)で紹介されました。また、第26回ビジネスプラン発表会(2011年9月15日)、 資源リサイクルフォーラム2011(2011年11月11日)で発表を行い、事業化に向けて取り組んでおります。
  4. 現在、藻岩山シャトルバス(図2)や北清企業(株)の車両で使用しており、2012年4月から本格的な販売を予定しています。

北清企業(株)、カルビー(株)、(財)北海道科学技術総合振興センター

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