第13話 クリーン農業の技術開発

クリーン農業の技術開発 (H26.4)

道総研道南農業試験場 田中文夫(たなかふみお)

北海道では、平成3年度から全国に先駆けて、関係機関、団体、生産者が一体となって「クリーン農業」を推進してきました。

「クリーン農業」とは、「農作物の収量と品質を低下させずに、化学肥料や化学合成農薬の使用を最小限に留め、環境に配慮した、安全・安心、品質の高い農産物の生産を進める農業」で、道総研の農業試験場では、クリーン農業を進めるための様々な技術開発を行っています。

土壌肥料の分野では、肥料の局所施肥、堆肥などの有機物の施用による土壌の改良、緑肥作物の導入、深耕や排水対策技術などの研究を行っています。例えば、平成25年に発表した研究では、たまねぎなどの育苗ポット内や葉面へのリン酸局所施用により、全体の施肥量を抑えても収量には影響しないことを明らかにしました。今後の速やかな普及拡大が期待されます。

写真:温湯消毒の様子 

病害虫防除の分野では、生物的防除、化学的防除、耕種的防除、物理的防除等を総合的に組み合わせた殺虫・殺菌剤の使用削減を目指しています。例えば、平成24年に開発した「きたくりん」という米の品種は、食味を維持したうえで、稲の大敵である「いもち病」への抵抗性を持たせることで、殺菌剤の散布回数を減らし、人や環境に優しい栽培を可能としました。また、除草においても、畑作における株間除草機の研究により、除草剤の利用を抑えることが可能となっています。

【写真:化学農薬を使わずに種籾を消毒する温湯消毒法】

北海道では、こういったクリーン農業技術の利用に取り組んでいる農業者グループに対して、独自にYES!clean認証制度「北のクリーン農産物表示制度」で認証を行っています。平成25年12月現在、YES!cleanの対象作物は66品目に及び、認証団体は397集団、戸数は延べ11,863戸にもなっています。

道総研の農業試験場では、いままで244件のクリーン農業に関する技術を開発してきており、今後も、さらなるクリーン農業推進のための技術開発を行っていきますので、道民の皆様のご理解と応援をいただきたいと思います。 

 

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