第20話 ペット共生型床材開発

シッポのある家族と楽しく暮らすために ~ペット共生型床材の開発~(H26.11)

道総研林産試験場 松本 久美子

少子高齢化社会といわれて久しい中、ペットの飼育が注目を集めています。このコラムをご覧の皆さんの中にも、現在ペットと暮らしている方がいるのではないかと思います。

一般社団法人ペットフード協会の調査によると、日本では、総世帯数の約16%、6軒に1軒が犬を飼育していると見られています。また、飼育場所も、これまでの屋外での飼育から、現在はおよそ8割の犬たちが、主に室内で飼育されているようです。それに伴って、住宅や建材にも、ペットとの暮らしへの対応が求められるようになりました。

林産試験場では、2010年に旭川市内の動物病院の協力を得て、ペットと建材についての調査を行いました。これにより、犬の飼い主のおよそ8割が、家を新築したり、リフォームする際にペットを考慮して床材を選ぶこと、また床材に求める性能は「すべりにくいこと」「清掃がしやすいこと」「傷や汚れが付きにくい(目立たない)こと」の3つに集約されることが明らかになりました。

 

そこで、平成23年から、これらのニーズに応えることと、トドマツやカラマツに代表される道産針葉樹材の用途の拡大を目的として、道産針葉樹材を原料としたペット共生型の床材の開発に取り組みました。ニーズの中でも、特に安全性にかかわる「すべりにくいこと」に着目し、木材の素材感を生かした、安全性と快適性を併せ持つ床材を開発目標としました。

これまでの研究で、試験開発した床材は、実験室レベルでの性能試験や、実際に犬による検証試験から、すべりにくさに関しては一定の効果が得られることが明らかになりました。また、人による感性評価でも、市販の床材と比較して、べたつき感が少なく足触りは好ましいとの評価を受けています。現在は、これらの性能を損なわない塗料の選定など、実用化に向けた検討を進めている最中です。

ペットが、共に暮らす家族の一員として迎え入れられることの多い現在、道産針葉樹材を使って、その上で暮らす人とともに、シッポのある家族にとっても安全・快適に暮らすことのできる床材の開発に向けて、これから更なる研究を進めていきたいと考えています。

最後に、研究で実施したニーズ調査と犬による試験には、緑の森どうぶつ病院のしつけインストラクター保久留美子(やすひさ るみこ)様をはじめとするスタッフの皆さまに多大なるご協力をいただきました。この場を借りて、御礼申し上げますとともに、試験に参加いただいた飼い主の皆さまとワンコ達に心より感謝します。

 

詳しくはこちらのPDF資料をご覧ください

林産試験場のホームページ

ページのトップへ