第24話 高齢者向け住まいづくり

高齢者が住み続けられる住まい・地域づくり(H27.3)

道総研 北方建築総合研究所 福井 淳一

全道の高齢化率は、おおむね2040年にピークを迎え、約41%に達すると予測されています。今後、高齢単身世帯や高齢者夫婦のみの世帯、要介護者の増加が、見込まれることから、高齢者や障がいのある方などが安心して居住できる住まいづくりと、地域に住み続けるための環境づくりが急務となっています。
 
車椅子対応、介護対応に住宅を改修するには、多額の費用がかかるだけではなく、家の構造上、改修が不可能な場合もあります。北方建築総合研究所(北総研)では、段差などを取り除くバリアフリーの考え方を一歩進め、年齢や性別、障がいの有無などによって利用者を差別しない「ユニバーサルデザイン」の実証実験などを通じ、道や市町村が実施する公営住宅の整備において、子育て世帯から高齢者まで、安心して住み続けられる住宅づくりを進めています。
(写真右:可動間仕切りを設けたユーティリティの使いやすさ、介護しやすさの検証実験)
 
また、少子・高齢化の進行とともに、高齢の単身・夫婦世帯が面積の広い戸建て住宅に住み、子育て世帯が面積の小さい賃貸住宅に住むなど、世帯人員と住宅の広さのミスマッチが生じています。このようなミスマッチを解消し、高齢者が住み慣れた地域に住み続けられるようにするためには、住み替え先となる高齢者向けサービス付き住宅等を地域内で確保することに加え、住み替え後の戸建て住宅に若年世帯が入居しやすくするための住宅流通促進策や住宅改修支援策などが必要となります。
 
北総研では、滝川市などにおいて、高齢者等の将来の転居意向や条件に関する調査分析を行い、住宅ミスマッチ解消に向けた施策を支援しています。さらに、高齢者の生活を地域で支える新たな環境づくりとして、冬期のみ地域内の利便性の高い場所に高齢者同士が一緒に住み、除雪負担の軽減や生活サービスを確保する「冬期集住」について、道内集落における住民ニーズや運営上の課題を把握し、高齢者のサポート体制や効率的な運営手法の検討などの支援も行っています。
(左図:滝川市住宅ミスマッチ解消施策)
(写真右下:旭川市西神楽における冬期集住拠点)
 
人口減少や超高齢社会を迎える今後、個人だけではなく、社会的な取り組みとして、高齢者が住み慣れた地域で住み続けるための対策が求められており、北総研でも住まいや地域づくりに関する調査・研究を進めていきます。
 
北方建築総合研究所のホームページ
 
滝川市における住宅ミスマッチ解消施策の取り組み
(中空知住み替え支援協議会のホームページ)
 
冬期集住に関する取り組み
(深川市・納内(おさむない)地域集落対策協議会)

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