第26話 リフォームによる地震に強くて省エネな家づくり

リフォームによる地震に強くて省エネな家づくり(H27.7)

~リフォームの時は、安全・省エネを同時に考えるのが合理的で経済的~

道総研北方建築総合研究所  植松武是(うえまつ たけよし)


「もちろん、地震で倒れては困るけど、まずは暖かい家にリフォームしたいなぁ。だけど、別々にやるとお金もかかるし…。」

ご存知のように、北海道は地震の多い地域です。震度6強を超える地震の発生が想定されている地域もあります。これまでに大きな地震がなかった地域であっても油断できないことが指摘され続けています。とはいうものの、「まぁ、今すぐ補強しなくても大丈夫だろう」、「リフォームするなら先ずは見た目の外装の改修、そして今より暖かい家にすることかな」と考えて、住まいの耐震化を先送りにしていないでしょうか。

一般の木造住宅は「壁」で地震に抵抗するように設計されます。地震に抵抗させるための壁を「耐力壁」といいます。この耐力壁の量が足りなかったり、配置のバランスが悪かったり、あるいは劣化して強さが損なわれていたりすると、地震時に住宅は大きく変形し、最悪の場合、倒壊することになります。倒壊しなくても、大きく変形してしまえば、室内や外装の被害も大きくなり、建て替えと同じくらいの費用がかかってしまう場合もあるでしょう。一方、住宅の断熱性を確保するための「断熱材」は、一般に「壁」の内部に施工されます。ですので、断熱改修では耐力壁を含む「壁」全般に手を加えることが必須になります。これらのことを理解しておくと、「地震に強くする技術」と「断熱性を高めて省エネ化を図る技術」の共通点は「壁の性能を確保・向上させること」にあると気付きます。そして、耐震改修と断熱改修の工事は、別々に行うよりも同時に行った方が、足場を組んだり外装を剥がしたりする手間が1度で済むことや、トータルの工期も短くなるため経済的だということにも気付きます。100万円以上のコストダウンが図れる場合もあります。

北方建築総合研究所では、「耐震」と「断熱」性能を同時に向上させる具体的な改修方法の提案を行っています。また、「耐震」、「断熱」、そして「高齢化対応」の性能を向上させるリフォームを「性能向上リフォーム」と称し、改修時にはこれら3つの性能の確保・向上を同時に図ることの合理性・経済性を謳ってきました。適切な「性能改修」を施すことによって、思い出と愛着のある家が、新築住宅と比べても遜色のない性能の住宅に生まれ変わり、快適に住み続けることが可能になります。住まいのリフォームを考える時には、快適性や省エネ化だけでなく、家族の安心「耐震化」も考えてみてはいかがでしょうか?

本コラムでご紹介したリフォーム技術を解説するセミナーを開催しました。
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   ・場所:北海道立総合研究機構本部1階「交流サロン」(札幌市北区北19条西11丁目)

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