第33話 牧草地を活用すれば酪農はもっと儲かる?

牧草地を活用すれば酪農はもっと儲かる?(H28.1)

道総研根釧農業試験場    濱村 寿史   

道総研根釧農業試験場では、牧草地を活用した儲かる酪農経営について研究を行っています。まず、儲かる酪農経営とはどんなものでしょうか?酪農家さんの主な収入は牛乳の販売代金であり、主な支出はエサ代や農機具建物費です。当然、収入が多く、支出が少なければ、儲けは多くなりますが、話はそう単純ではありません。なぜなら、エサの量を増やせば乳量も増えて牛乳の販売代金は増えるけれど、エサ代も増える、逆にエサの量を減らせば、エサ代も減るけど、牛乳の販売代金も減るという関係にあるからです。このため、いかにエサ代を抑えつつ、多くの牛乳を搾るかが重要になります。

そこで、根釧農業試験場では、エサ代が安く、儲かっている酪農家さんとそうではない酪農家さんの調査を行い、何が違うのかを比較しました。調査では、どのように牛を飼っているのか、どのように牧草を育てているのか、さらに今後どのようにしたいのかといったことについて、聞き取りしました。

調査の結果から、牧草地の活用がポイントとなっていることがわかりました。牛のエサは、海外から購入しているとうもろこし等を原料とした配合飼料と自分の牧草地で収穫した牧草に大きく分けられます。製造や輸送に要するコストが高い配合飼料に比べ、牧草はより安く調達することができます。しかし、牛の飼育で忙しい中、牧草の栽培や収穫に時間をかけることは簡単ではありません。結果として、同じ牧草でも、収量や品質は酪農家さんによって大きく異なります。

聞き取りをしてみると、実は、エサ代が安く、儲かっている酪農家さんは、牧草地にお金と手間をかけていることがわかってきました。一方で、エサ代が高く儲かっていない農家さんは、「自分の牧草地に問題がないと思っている」、「牧草地にお金と手間をかけても効果が小さいと思っている」等の理由から、あまり牧草地にお金と手間をかけていませんでした。

今後は、牧草地にお金と手間をかけることが、どれだけ牧草の収量や品質、そして牛乳の販売額や支出に影響を与えているかを明らかにし、酪農家さんに示すことで、牧草地の活用を促していきたいと考えています。

牧草地を活用することは、北海道の農地を有効に活用するという点や、食料自給率を高めるという点からも重要です。根釧農業試験場では、酪農家や地域の維持・発展のために、牧草地を活用した酪農経営のあり方に関する研究に取り組んでいきます。

根釧農業試験場のホームページ

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