タマネギ

第23話   タマネギにもっと個性を!

道総研 北見農業試験場柳田 大介


北見交54号&スーパー北もみじ.JPG  北海道は収穫量国内第1位のタマネギ大産地です。平成23年度の国内のタマネギ出荷量約94万トンのうち、北海道産は57%を占めており、2位佐賀県の15%と大きく引き離しています。

 

さまざまな調理に使われているタマネギは、みなさんが食べる機会の多い野菜です。ここで質問ですが、普段、食べているタマネギ、そもそもどこの部位なのかご存知でしょうか?茎?それとも根?まさか果実!?

 

5年前、同じ質問を北見農業試験場の公開デーにおいて、来場者向けクイズとして出題したところ、何と正解率は3割!う~ん、来場者の大半は北見農試が位置するタマネギ産地周辺の方々のはずなのに・・・。身近な食材でありながら、どこを食べているのかを知っている人が少なかったのは少し意外でした。

 

さて、いつも食べているタマネギですが、その正体、実は「葉」です。私たちが食べているのは、タマネギの葉が肥大・厚みが増して球状となったものです。ちなみに、収穫する時期が早い早生(わせ)品種は葉が肉厚で水分が多く、晩生(おくて)品種ほど葉の枚数が多くなって辛味が強くなる傾向にあります。例年8月頃に出回る「新タマネギ」と総称されているものは、食味の良い極早生(ごくわせ)品種で、9月頃から出回るタマネギとは品種が異なるのです。

 

「オホーツク222」、「北もみじ2000」、「北はやて2号」、「イコル」、「Dr.ケルシー」 、「天心」。これらはすべて北海道で栽培されているタマネギの品種名です。スーパーなどで売られているタマネギに、「産地:○○」や「○○さんが作った~」という表示はよく見かけますが、北海道で栽培されているタマネギに収穫時期の早晩などで多くの品種があることは、残念ながらほとんど知られていません。

 

北海道で栽培されるタマネギ品種は、国内第1位のタマネギ大産地として、国内需要への安定供給を果たす役割から、“作りやすさ”や“流通させやすさ”が最優先され、その結果、民間種苗会社を中心に、収量性の高さや病気への強さ、貯蔵期間の長さといった生産者と流通関係者を主眼とした品種の開発が行われてきました。

 

一年間に国内で消費されるタマネギは、家庭用が約50万トン、加工・業務用が90万トンと推測されています。北見農試では、タマネギを「加熱調理用食材」として使用している食品メーカーや加工業者から、「もっと調理に使い勝手の良い品種が欲しい」との強い要望に応えるため、民間種苗会社が対応しきれていない加工・業務用に適したタマネギ品種の育成を進めることにしました。

 

54号炒め001.JPG  そして今年、加熱調理に適した“固形水分が少なく 糖度が高い” 新品種「北見交54号」を開発しました。「北見交54号」は、食品メーカーから、従来の品種よりも加熱調理時間が短縮できる点、製品となった場合には甘さが増す点、さらには焦げにくい点などに対して非常に高い評価を受けています。

みなさんが普段何気なく食べているタマネギですが、いつか、それぞれの“個性”が認められて、品種名で売られることが当たり前の時代になればいいな~、と思う日々です。

 

 

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次回は1月の予定です。

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