第6話 木質ペレット

木質ペレットにできること (H25.9)

森林研究本部 林産試験場 山田 敦(やまだ あつし)


酷暑の夏も過ぎ、ようやく過ごしやすい日が続くようになりました。しかし、私たち北海道人が毎年戦っている厳しい冬が、今年もそこまで来ています。私が子供の頃は石炭スト-ブ、やがてそれが灯油スト-ブに変わり、原発事故以前はオ-ル電化が新築住宅暖房の主流になっていましたが、今年は電気料金の値上げが家計を直撃しそうです。暖房用エネルギ-は様々なものがあり、時代とともに変わってきましたが、今回は地球に優しい暖房用燃料である「木質ペレット」についてご紹介します。

ペレットスト-ブの写真  木質ペレットとは、おが粉を固めた直径6~9mm、長さ10~25mmの円柱状の燃料です。木質ペレットのような木質バイオマス燃料は、樹木の成長時に大気中の二酸化炭素を固定するため、燃やしても地球温暖化の原因となる二酸化炭素を増やさないカ-ボンニュ-トラルな燃料とされています。海外では、木質ペレットや木チップを燃料とした小型の木質バイオマスボイラ-による集中暖房が普及しています。

北海道には大小あわせて18のペレット工場が存在し、年間5,000トン程度の木質ペレットを生産しています。これは、日本国内の木質ペレット生産量(6万トン)の8%に当たりますが、諸外国(例えばドイツ:年間140万トン)と比較すると、まだまだ少ない量です。
一方、北海道では暖房用として年間300~350万キロリットルの灯油を消費しています。灯油などの石油製品は100%海外に依存しているため、戦争などの国際情勢や円安によりこれまで何度も燃料価格が高騰し、私たちの生活を脅かしてきました。地域の資源を活かした木質ペレットの需要を拡大することができれば、燃料価格の安定化のみならず、これまで石油を買うために海外に流出していたお金が地域内で循環することとなり、地域経済の活性化も期待できます。現在、木質ペレットスト-ブは林野庁の「木材利用ポイント事業」の対象になっており、価格の10%程度(上限10万ポイント:10万円相当)を地域の農林水産品などと交換することもできます。また、原子力発電にかわる再生可能エネルギ-として、風量発電や太陽光発電と並んで、天候に左右されない木質バイオマス発電が注目されています。

積雪寒冷地である北海道では、暖房に係る熱源は生命線です。私たちの子供や孫が寒い思いをしないように、この機会に木質ペレットスト-ブの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


道総研林産試験場のホ-ムペ-ジはこちらです。


ページのトップへ