第8話 融雪システム

空気で雪を融かす (H25.11)

道総研工業試験場 平野 繁樹(ひらの しげき)
&nb-image-right" style="float: right;" alt="70_写真素材2.jpgのサムネール画像" src="/info_headquarters/domin/magazine/__icsFiles/artimage/2015/03/30/cpa4bmag/3594-70_shashin_sozai_2_1.jpg" />  街の樹々もすっかり冬支度の北海道。立冬を過ぎ暦の上でも冬となり、いよいよ本格的な冬の季節がやってきました。北海道と冬、そして雪は切っても切れない関係があります。この寒い冬と真っ白な雪こそが、本州にはない特色ある北海道の水、土、森そして空気までをも育み、多くの人を魅了する風土や産物を形作るのは間違いありません。
しかしながら、北海道で生活する方々にとって、除排雪、融雪は欠かせないものであり、「雪」とは格闘するもの、費用がかかるものという側面があるのも事実です。少子高齢化、過疎化が進む中、半年も雪とかかわる北海道では、雪対策により冬を快適・安全に過ごすための対策を講じることは今後ますます重要なこととなるでしょう。雪は熱を与えれば融けて水になり流れていきます。誰もが知っていることですが、熱発生のために電気や石油を使えば費用がかかります。この費用を抑えた融雪ができればと多くの方が思うのではないでしょうか。

そういうことを可能にするシステムについてご紹介します。それは、雪に空気を吹き付けて雪を融かす方法です。融雪面には小さな孔がたくさん開いた「多孔質路面」を使用します。この多孔質路面は、空気と水が非常に通りやすくなっています。そのため、地中から排熱空気を送風すると、温かい空気が孔から吹き出して、雪に直接作用します。日常生活や施設の機械類(例えば、浴槽やボイラなど)から発生し外に捨てている熱を、地中に埋めた樹脂管に送風し、多孔質の地面から空気を吹き出し、雪を融かすのです。融けた雪は水となり、融雪面の小さな孔から地下に浸透していきます。そのため、融雪面の表面に水がたまることなく、温かい空気は雪に直接吹き付けられます。温泉や地熱、機械類からの排熱があれば、非常に良好な融雪が可能であり、一晩で10センチ程度の降雪であれば、住宅の排熱でも十分に対応できることが実証されています。

空気を使って融雪を行うため、熱源から融雪路面までの熱の移送には、送風ファンと樹脂配管のみの非常にシンプルな装置構成となっており、トラブルも少なく、送風ファンにかかる電気代もごくわずかです。現在、道総研工業試験場では、道内企業の方々とともに、このシステムの研究を行っており、急な大雪や様々な排熱にも対応出来るよう、実証試験デ-タを収集しているところです。

この「多孔質路面」は、表面の水をすぐに地下に浸透させるため。大雨時や春先の雪解けの際に水たまりができにくいこと、夏期の高温時には路面温度を抑制することなど、冬期以外でも様々な効果が見られることから、道内外への普及に向けて多くのデ-タを蓄積していき、今後の技術開発や新たな製品展開へ活用していきたいと思います。

 

道総研工業試験場のホ-ムペ-ジはこちらから

◇温泉排熱利用空気式融雪システムの開発◇
http://www.hro.or.jp//list/industrial/research/iri/jyoho/casebook/11/example/26.html

◇住宅換気排熱を利用した融雪システム製品開発◇
http://www.hro.or.jp//list/industrial/research/iri/jyoho/casebook/12/example/14.html

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