道総研セミナー
「乳牛の秘密~牛乳はどうやってできるのか?~」

道総研が日々取り組んでいる研究の中から、今回は「酪農と乳牛」をテーマに、酪農試験場で行っている研究をご紹介し、約40名の方々にご参加いただきました。

  • 日時 令和元年10月19日(土) 15:30~16:30
  • 場所 紀伊國屋書店札幌本店 1階 インナーガーデン(札幌市中央区北5条西5-7sapporo55)
  • 主催 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
講師が話している写真 

こんなお話をしました

講師:道総研 農業研究本部 酪農試験場  主査 谷川 珠子

乳牛の生活

(1)乳牛の一生

   子牛が産まれた時の体重は約45kgです。産まれてから2ヶ月目頃まで人工哺乳をし、その後は草を食べて成長します。1日に約1kg体重が増え、1歳になる頃には約350kgになります。
  1歳を過ぎると妊娠し、2歳頃に出産をして乳を出し始めます。その後は出産を繰り返しています。大人の牛の体重は600~700kg、1年間で約9,000kgの乳を出しています。本来、子牛を育てるのに必要な乳量は300kgです。人間が利用できるように多くの牛乳を出せるよう、品種改良を行っているのです。

(2)乳牛のエサ

  乳牛は1日に30kg以上も乳を出すため、たくさんのエサを食べます。1日に、草(粗飼料)を50~60kg、穀物(濃厚飼料)を10~12kg食べています。1年に食べる草(粗飼料)の量を牧草地の面積に直すと、1頭を1年育てるのにだいたい1haくらい必要と言われています。調べたところ、この会場(紀伊国屋書店店舗)の総面積(2階を含む)が0.4haくらいとのことでしたので、この広さの牧草地があっても、牛を半年しか飼うことができません。
   ちなみに、北海道での牛乳の自給率は100%ですが、乳牛が食べるエサの自給率は45%です。
   道総研では、北海道でできるエサ(自給飼料)を多く食べさせて、健康的に乳牛を飼うための研究にも取り組んでいます。

(3)草を乳に変える秘密

   牛は4つの胃を持っています。牛が食べたエサは反すう(吐き戻し)によって細かくなります。
    細かくなったエサは、胃の中に住む微生物の発酵によって牛が利用できるエネルギーに変わります。

子牛の産ませ方

(1)どうやって妊娠させるのか?

  牛乳を出すのは雌牛だけです。また、出産しないと乳は出ません。そのため、雌牛を妊娠させる必要があります。酪農場には基本的に雌牛しかいませんので、人の手によって妊娠させています。主に、凍結した精液を注入する人工授精や、胚を移植する受精卵移植という方法で行なっています。

(2)妊娠から出産まで

  乳牛は授精してから約30日後に妊娠の有無を検査できます。妊娠してから約280日後(人と同じ)に出産します。北海道にいる乳牛は、約430日間隔で出産を繰り返しています。年に1回出産させることが目標ですが、病気や栄養不足により、上手くいかない場合があります。
授精の技術だけではなく、栄養管理や健康管理に関する研究と連携し、安定して出産を繰り返すための研究に取り組んでいます。

(3)メスの産み分けも行っています

  性選別精液の注入または性判別受精卵の移植により、メスを多く産ませる技術を利用しています。


講演資料

PDFファイル
講演資料のPDF

案内チラシ

PDFファイル

開催案内チラシ


ページのトップへ