道総研セミナー
【試食付きセミナー】小豆粉で新しいおいしさ発見!-製粉技術が小豆の用途を拡大します-in カルチャーナイト2018

  道総研 食品加工研究センター(江別市)から研究員を招いて、小豆粉ロールケーキの試食付きセミナーを開催し、約40名の方々にご参加をいただきました!

  • 日時 平成30年7月20日(金) 18:00~19:00
  • 場所 北海道総合研究プラザ(札幌市北区北19条西11丁目)
  • 講演者  道総研 食品加工研究センター 渡邉 治
 

こんなお話をしました

 小豆は、北海道が国内生産の約90%を占める重要な作物で、その生産量の約70%があんことして利用されています。しかし、その主な用途である餡製品の消費の低迷や輸入餡の影響で小豆の生産量が年々減少していることから、国内の小豆の主要産地である北海道、また菓子製造企業など関連業界から、小豆の需要拡大への取り組み、小豆の新しい利用法についての研究が強く要望されていました。

 新しい利用法と言ってもなかなか難しく、当初は同じ豆の仲間である大豆の利用法(味噌や醤油など)や穀類の利用法(酢)を検討しました。この中から「小豆酢」が商品化され現在販売されていますが、市場が大きいとは言いがたく、さらなる試みとして小豆を生のまま粉にしてお菓子やパンなどに利用することで需要拡大に繋げることは出来ないかと検討を始めました。ここで初めて小豆粉(あずきこ)に至ったわけです。

 小豆粉は、他の穀類粉(小麦粉、米粉など)と比べて、ミネラル分が多い、タンパク質が多い、食物繊維が多い、カロリーが少ない、脂質が少ない、糖質が少ない、グルテンを含まない、などメリットが多く、今の健康食品ブームにピッタリの食材と位置付けられます。

 小豆の粉砕には、汎用性が高く幅広い粒径(粉のサイズ)製造に対応しているピンミルという製粉機を用いました。小豆から粉を作る上で気を付けたことはあん粒子を壊すことです。穀類の粉をお菓子などに使う場合、粉に含まれるでんぷんが重要な働きをしますが、小豆の場合、そのでんぷんが子葉細胞に包まれていてあん粒子を形成しているため、そのままでは食品の加工に向きません。そのため小豆を粉砕する段階で子葉細胞も壊してしまい、でんぷんを外に出す必要がありました。ここで得られた小豆粉砕物について粒径と糊化特性を調べるとともに、パンやクッキー、スポンジケーキを試作して、膨らみや色合い、風味について評価を行いました。その結果、パンやスポンジケーキは、小麦粉だけで製造した場合と比べて膨らみの低下や食感の粗さ(ざらつき感)があることがわかりました。これらの問題については、小豆粉砕物の粒径を小さくすることで改善できるのではないかという予想から、より細かい小豆粉砕物を製造して再度パンやスポンジケーキの試作を行ったのですが、ざらつきなどの食感は改善された一方、膨らみはより低下してしまいました。

 膨らみの低下の原因を調べた結果、小豆粉砕の際に、食品加工に重要な働きをするでんぷんまで壊れてしまっていたことが原因とわかりました。そのため、ピンミルで粉砕した後、粒径が100µm以上(あん粒子の大きさは約100µm以上で、小豆のでんぷんは20~30µm)の粉を再度粉砕することで、製パン適性と食感の改善に加え、小豆の特徴である色(赤み)と風味が向上した小豆粉を開発することができました。

 この小豆粉について菓子製造企業などの協力のもと製造現場での実需者評価を行った結果、製粉1社、商社2社が食素材としての小豆粉を、また菓子製造企業11社がクッキーやケーキを商品化してくださいました。

 今後は、このグルテンフリーの食素材として活用可能な小豆粉を、製パン、製菓企業や粉体素材を製造する食品加工企業を中心に、技術支援、情報提供を通じて普及を図っていきます。


講演資料

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案内チラシ

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▼小豆粉を使ったレシピをご紹介しています。 クックパッド公式ページ 北海道のキッチン 「小豆粉」で検索!https://cookpad.com/kitchen/15941596

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