明日の健康を支える十勝の小豆

農業研究本部 中央農業試験場 加藤  淳(かとう じゅん)

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日本人は古くから豆類を食生活に取り入れており、大豆や小豆、菜豆(インゲン豆)などは、様々な加工品となって食卓に上っています。世界的に見ると、マメ科の植物は18,000種を超え、このうち食用に供されるのは約70種です。この中には、小豆やインゲン豆、エンドウのように炭水化物が主体の豆類と、大豆や落花生のようにタンパク質や脂質が主体の豆類があります。

小豆は国内生産量の約9割が北海道で栽培されており、さらにその6割程度が十勝で生産されています(平成25年北海道農政部)。すなわち、十勝は全国の小豆の半分以上を生産している豆王国と言えるのです。

豆類には、疲れを取り除く効果のあるビタミンB1や、美しい肌を保つためにも必要なビタミンB2やB6も多く、ミネラルも豊富に含まれています。欧米型の食生活が進むにつれ、食物繊維の摂取量は減少の一途をたどっています。小豆にはゴボウの3倍以上の食物繊維が含まれており、便秘の解消や大腸癌の予防に効果が期待されます。また、タンパク質を構成しているアミノ酸のうち、体内で生成できない必須アミノ酸のバランスも良好です。日本人の主食であるお米には必須アミノ酸のうちリジンが少ないため、リジンの多い豆類とお米を組み合わせて食べることにより、タンパク質の利用効率が高くなります。
私たちが呼吸で取り込む酸素のうち、その一部は活性酸素に変わります。活性酸素は老化を促進するとともに、糖尿病を始めとする生活習慣病や癌などの病気の要因となっています。十勝産小豆には、この活性酸素を除去する成分であるポリフェノールが、赤ワインの2倍近くも含まれています。小豆のポリフェノール含量およびその抗酸化活性については、輸入小豆よりも十勝産で高く、その優位性が認められています。動物実験の結果からは、小豆ポリフェノールには血糖値上昇抑制や血圧上昇抑制効果等のあることが明らかになっています。また、小豆煮汁加工飲料による人介入試験の結果でも、中性脂肪やLDLコレステロール値の低下傾向が確認されています。
小豆が日本人の食生活に欠くことのできない食材として、今日まで綿々と受け継がれてきたのは、その美味しさはもちろんのこと、健康を維持する上でも重要な役割を果たしてきたことがあげられます。十勝を主産地とする小豆は、日本の食文化を担う食材の一つであると同時に、明日の私たちの健康を支える大きな力を秘めています。


 

 

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