おいしい豚肉のつくりかた

農業研究本部 畜産試験場 小泉 徹(こいずみ とおる)

  DSC_0454.jpg 北海道は夏の気候が冷涼で、本州とは海で隔たっており病気の侵入の機会が少ないことから養豚には適した土地柄といえます。道内には270の農場があり、年間約100万頭の肉豚が生産されています。
豚の肉質は、用いる品種や飼料、飼い方などで違いが出ます。品種については、大ヨークシャー、ランドレース、デュロックという3つの品種を掛け合わせた雑種の肉豚が最も多く、この他にも肉に特徴のあるバークシャー(黒豚)なども生産されています。飼料は、トウモロコシ、大豆粕などが主要な原料ですが、豚肉の脂肪の質を改善するため麦類などを多く給与することもあります。肉豚は生後5ヶ月程度で体重110kgに成長し肉になりますが、病気やストレスを与えることなく健康に育てることが質の良い肉を造るために重要です。
最近、ブランド豚や銘柄豚といった豚肉がメディアなどに取り上げられる機会が多くなっています。ブランド豚肉の定義があるわけではありませんが、生産者それぞれが品種や飼料、飼い方などを工夫したこだわりの豚肉として生産されています。道内にも多くのブランドがあり、指定店舗での販売や通信販売などにより取り組みが展開されています。
北海道のブランド豚肉で最も知られているのが「北海道産SPF豚」です。SPF豚農場では、健康な豚を用い、衛生管理を徹底した生産が行われています。これにより、消費者が安心できる豚肉を造ることができ、また、柔らかく、あっさりした肉質となります。現在、北海道で生産される豚肉の約10%がSPF豚肉となっています。
「バークシャー種(黒豚)」は九州が本場ですが、北海道でもいくつかの農場が生産に取り組んでいます。黒豚の肉質は、肉を構成する筋繊維が一般の豚肉に比べて細かい、いわゆるきめの細かい肉質が特徴で、こうした品種の特徴に加えて、飼料原料などにもこだわった生産が行われています。これらの他にも、肉豚を屋外の放牧地で飼育しチーズの製造残さであるホエーを給与した「ホエー放牧豚」、資源循環を考慮し、パン屑などの食品工場の製造残さを飼料として豚を育てる「エコフィード豚」、飼料にくず米を用い栄養成分を調整することで筋肉内脂肪(サシ)を増加させた「米を与えた脂肪交雑豚」など様々な取り組みが行われています。豚肉の味は人の好みの差が大きいといわれています。ぜひ、たくさんのブランド豚肉を食べ比べ、好みの一品を見つけて頂きたいと思います。

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