カルチャーナイト2017in北海道総合研究プラザ
「北海道のコメからつくる道産酒~道産酒米の特徴と開発の歴史~」



  道総研 中央農業試験場生産研究部(岩見沢市)から研究員を招いて、道産日本酒の試飲付きセミナーを開催し、約40名の方々にご参加をいただきました!


  • 日時 平成29年7月21日(土) 18:00~19:00
  • 場所 北海道総合研究プラザ(札幌市北区北19条西11丁目)
  • 講師 道総研 中央農業試験場 水田農業グループ 研究主幹 宗形 信也


こんなお話をしました

お酒は、酵母菌(イースト)が原料中の糖分をアルコールと炭酸ガスに変化させる「発酵」によって造られます。ワインではブドウの糖分が使われますが、日本酒(清酒)の原料である米には糖がほとんどないため、デンプンを糖に変える必要があります。
日本酒のルーツには「口噛み酒」というものがあり、古代日本では女性がご飯を口に入れ良く噛んでから壺に吐き出すという大変な作業を行い、神事等に使用する酒を造っていました。これは、唾液中の酵素を利用してデンプンを糖に変えています。日本酒ではこの作業を麹菌が行います。2種類の微生物が同時に働くことにより、世界で最もアルコール度数の高いお酒が醸造されるのです。
日本酒の原料は基本的に米、米麹、水の3つだけです。日本酒の味や品質を決めるのはこれら原料と「酵母」、「造り」と言えます。このうち、米では「一般米(飯米)」と「酒造好適米(酒米)」の2種類があります。酒米は飯米に比べ、一見あまり変わらないように見えますが、一般的に「1.粒が大きい」、「2.粒の中心に白い部分(心白)がある」、「3.タンパク質が少ない」、という特徴を持っています。全国で酒米は9万トン程度生産されていますが、このうち有名な「山田錦」など、上位3品種で7割ほどを占めます。
北海道の本格的な酒米の品種改良は、平成12年の「吟風」から始まり、平成18年の「彗星」、平成26年の「きたしずく」と続き、現在この3品種が道内で作付されています。いずれも道総研中央農業試験場で育成されました。北海道の酒米は、広島や岡山の古い酒米がルーツであり、現在も上記3つの特徴を改良すべく継続的に品種改良を行っています。
北海道の酒米の作付面積は、水稲全体の1%に満たないものですが、近年、道産酒の品質向上にともない徐々に増加し、平成28年には初めて300haを超えました。これは全国の酒米生産量の2%程度に当たります。道内で酒米の生産が盛んな市町村は、「1.新十津川町」、「2.旭川市」、「3.当別町」です。
また、北海道で日本酒を生産している蔵は11ありますが、今年の5月から上川大雪酒造が12番目の蔵として新たに加わりました。これら道内の蔵で使用している北海道産酒米の割合は「吟風」の誕生以降年々増加し、現在では6割ほどとなっています。
北海道の酒米の3品種は、酒にした時の味の傾向がいずれも異なり、それぞれ特徴のある酒になるとされていることから、バランスのとれたラインナップであると言えます。北海道の酒米は、王者「山田錦」にはまだ及びませんが、その他の道外品種には引けを取らないレベルにあります。北海道産酒米は、道外産に比べ気象条件的に品質が不安定になりやすいという不利な面はありますが、逆に夏に気温が高くならないという有利な面もあることから、飯米で「ゆめぴりか」が成し遂げたように、将来は「山田錦」に伍する品種が出てくることを期待しています。


講演資料

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案内チラシ

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