道総研ティータイムセミナー「午後の科学」
くらしの中に北海道の花を ~切り花を長く楽しむための科学~

  道総研が日々取り組んでいる研究の中から、今回は「北海道の花」をテーマに、北海道における切り花生産の現状や切り花を長く楽しむコツなどをご紹介し、80名の方々にご参加いただきました。

  • 日時 平成28年5月21日(土) 15:30~16:30
  • 場所 紀伊國屋書店札幌本店 1階 インナーガーデン(札幌市中央区北5条西5-7 sapporo55)
  • 主催 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
  • 協力 FlowerSpace Gravel


こんなお話をしました

道総研 花・野菜技術センター 研究部 花き野菜グループ 主査(花き)  鈴木 亮子

○北海道の切り花生産

  「北海道の花」という言葉で多くの方が連想されるのは、ラベンダーやはまなすなど景観を彩る花々かもしれません。しかし、北海道は切り花の大産地でもあり、100種類を超えるさまざまな切り花が栽培されています。生産額が多いのはカーネーションやスターチス、ゆりなどです。道産切り花の出荷時期は7月から9月に集中しているのが特徴で、この時期は地場産の割合が高まります。さらに出荷量の7割以上は道外へ移出されていて、お盆からお彼岸までの大きな切り花需要に応えています。

○切り花の消費動向

  昭和の頃は、切り花といえば冠婚葬祭や生け花などの業務需要が大半でしたが、時代の変化に伴い、母の日や誕生日など個人的なイベントに使われることが多くなりました。しかし、購入金額は年々減少し、特に若年層の花離れが進んでいるため、花業界では花を贈るライフイベントを創出するなど、消費拡大のためのさまざまな取り組みを行っています。また、消費者がどんな切り花を望んでいるかを調査すると、「日持ちする花」という答えが多く、具体的には7日以上観賞できれば大部分の人が満足することもわかってきました。

○花持ちの科学

  道総研では、他府県の研究機関と連携して、国内で生産流通する切り花の日持ちを向上させるための技術開発を行っています。切り花が観賞価値を失う要因は、①老化、②水あげ不良、③栄養不足に大別されます。
  老化は、エチレンという植物ホルモンによって促進されるので、生産者段階でエチレン阻害剤を処理することで、花のしおれや落下を防ぐことが可能です。
  水あげ不良は、茎が細菌などで詰まったり、吸水量より蒸散量が多くなることで起こるため、界面活性剤を使って吸水を促したり、抗菌剤で細菌の増殖を抑えるといった対策を取ります。近年は水に生けたまま輸送する技術も普及しています。
  栄養不足を防ぐには、人間が栄養ドリンクを飲むのと同じように切り花に糖を補給します。糖を与えると、花は色よく、大きく咲き、日持ちも良くなります。栄養は消費者の手に渡ってからも与え続けることが重要で、これが日持ちに大きく影響します。
  家庭では、界面活性剤・抗菌剤・糖が含まれる市販の切り花栄養剤を使うことをおすすめします。また、花を飾る際は清潔な花瓶を使い、高温や直射日光を避け、不要な蕾や葉を取り除いておくことも大切です。
  今年の夏は、北海道の花を切り花栄養剤で長く楽しんでみてください。


講演資料

PDFファイル

参考ホームページ、図書

参考ホームページ:日持ち保証に対応した切り花の品質管理マニュアル 増補改訂版(花き研究所、2014)

参考図書:市村一雄「切り花の鮮度・品質保持 基礎と実践」(誠文堂新光社、2016)

案内チラシ

PDFファイル


ページのトップへ