ビートパルプ給与が第一胃内揮発性脂肪酸生成,飼料摂取量および乳量におよぼす影響

西埜 進、和泉康史、小林道臣、大橋尚夫

新得畜試研究報告 2.5-10(1971)

 水に浸した乾燥ビートパルプを飼料用ビートの代りに利用できるかどうかを,第1にビートパルプの化学的組成と第一胃内揮発性脂肪酸(VFA)生成との関係,第2に泌乳試験でサイレージ,ビートパルプおよび飼料用ビート添加効果の比較から検討を行なった。
 ビートパルプは,飼料用ビートより粗繊維が多く,可溶性の蛋白質,炭水化物が少ない。第一胃内において,ビート給与時と異なった様相を示し,アンモニア(NH3-N)を抑制し,徐々に高まったVFA濃度は長時間低くならなかった。さらに酢酸を増し酪酸が著しく減少した。
 乾燥ビートパルプ2.7kg,あるいはビート20kgによって,乾物およびTDN摂取量は増加した。粗繊維摂取量はビート給与時の減少に対し,ビートパルプ給与時には変化しなかった。
 乳量はビートパルプ給与時が最も多く,乳組成および体重には影響がなかった。よって,ビートパルプを多汁質飼料として飼料用ビートの代りに利用できるものといえる。この場合,ビートパルプ給与の有利性は,過剰に摂取したTDNに対する生産乳量によって決定できる。