施肥水準と放牧強度が家畜の生産性に及ぼす影響

裏 悦次

新得畜試研究報告 3.25-29(1972)

 放牧地の生産性に及ぼす大きな要因である施肥水準と放牧強度の影響を,2×2の要因配置法(施肥量:1.0対1.5:放牧強度1.0対1.2)で肉牛を放牧して,その増体の面から検討した。その結果,

  1. 施肥水準を高めることによって1日1頭当り,及びha当りの増体量は増加した。この増施の効果は放牧前期では殆んど認められなかったが,草量が不足する放牧後期では大きな効果があり,特に,放牧強度の強い場合に顕著な傾向が認められた。
  2. 放牧強度を強めると,1日1頭当りの増体量は低下したが,ha当り延放牧頭数は増加した。この放牧強度に関連した増体量に及ぼす季節の影響も施肥水準の場合と同様,放牧前期で差がなく,後期で著しかった。従って放牧前期と放牧後期の放牧強度を変化させるべきであろう。
  3. 放牧強度と施肥水準の相互作用は有意ではなかったが,放牧強度を強めた場合,施肥水準を高くしなければ,極端に,増体量が低くなると推察された。