フリーストールバーンおよびストールバーンにおける乳房炎の発生比較

佐野信一・八田忠雄・工藤卓二・谷口隆一

新得畜試研究報告 3.39-42(1972)

 乳牛飼養における環境諸条件と疾病,とくに,飼養環境と乳房炎の発生との関連を知る目的で,フリーストールバーンと,ストールバーンにおける本病の発生状況を調査し,比較検討した。
 その結果,ストールバーンにおける潜在性乳房炎の発生が,20.5%であったのに対し,フリーストールバーンでは,7.2% と低く,感染乳汁乳房および臨床型乳房炎の発生も同様に少なかった。分娩後,2週間以内に感染を受けた牛と,うけない牛とを,その後フリーストールバーンで飼養すると,前者で潜在性乳房炎の発生が27.2%と多く,後者では,それが2.0%と著るしく少なかった。
 以上の事実より,フリーストールバーンでは,乳房炎の発生を減少させ,かつ新たな感染が起らない要因があるものと思われる。
 それは,搾乳施設,装置が完備しているため乳房洗浄ならびに乳頭消毒が十分になされ,搾乳作業が適正に行はれるためと考察した。