牛肉の官能的評価における一知見

渡辺 寛・永田俊郎

新得畜試研究報告 4.9-18(1973)

 牧草利用を主体とした若令肥育によって生産された牛肉について,一般消費者のし好の程度を知る目的で試験を行なった。供試牛はN,HR,HD,Dの4品種で,2夏放牧育成後57日間肥育して生産された牛肉について調査を行なった。調査はもっぱら官能検査によったが,評価された値について,分散分析・相関分析を行ない検討した。その結果,

  1. 牧草主体の若令肥有によっても,消費者のし好に沿う良質な牛肉を生産できることかわかった。
  2. 精肉の外視,ステーキの風味は,品種間に差があるようにみうけられ,品種の一部の間には有意差がみとめられた。
  3. 評価された数値について,単純相関,偏相関,重相関を計算し検討したが,風味と他の形質との相関は意外に低く,今後風味の良い良質肉の生産を前堤として,肉質の分析法の開発,計測器などによる客観的な風味の解析など,味を支配する因子を直接計測する手法も平行してとり入れてゆく必要性のあることが伺われた。