牛趾間腐燗の発生に及ぼす一般化膿菌趾間外傷および泥温地の影響

岸 昊司・工藤卓二・八田忠雄・谷口隆一

新得畜試研究報告 5.19-24(1973)

 牛趾間腐燗の原因には,Sphaerophorus 属菌によるいわゆる特定菌説と一般化膿菌による非特定菌税がある。いずれも,趾間皮膚の創口,湿潤環境による趾間皮膚の組織細胞の膨化,乾燥による趾間皮膚の亀裂などが発生の誘因と考えられている。
 本報は,1)一般化膿菌 Corynebacterium pyogenes, Stapylococcus aureus の皮膚接触,2)人為的な趾間外傷,3)泥湿地放牧の3因子が発症に及ぼす影響を検討した。ホルスタイン種雄子牛12頭(48肢)を反復供試し,2試験を行なった。
 その結果,試験1の「趾間部に人為的な外傷をつけ,化臓菌を接触し,泥湿地草地に放牧した処理」にのみ30中2例( 6.7%)の発生が認められた。なお,発生した2例の病巣Coryne.,Strepto.,Diplococcus.,などが分離されたが,Sphaerophorus 属菌は分離されなかった。試験2では,いずれの処理にも発生が認められなかった。
 以上から,3因子、あるいはこれらの組合せでは,牛趾間腐燗の発生について明確な結論は得られなかった。