高泌乳牛の飼養法に関する研究
 I.濃厚飼料の給与量が第一胃内性状および揮発性脂肪酸の産生に及ぼす影響

和泉康史・大橋尚夫

新得畜試研究報告 5.25-32(1973)

 第一胃フイステルを装着したホルスタイン種の成雌牛3頭を用い,乾草6kg,乾草6kg+濃厚飼料6kgおよび乾章6kg+濃厚飼料12kgを給与する場合について,1期21日間の3×3ラテン方格法により,第一胃内pH,乳酸,アンモニア態窒素および揮発性脂肪酸の変化を経時的に観察し,濃厚飼料給与量の影響を比較検討した。
 飼料は午前9時と午後9時に半量ずつ与え,第一胃内容物は各期の最終日に飼料給与前と給与後1時間ごとに連続12回採取した。その結果,次のことが認められた。

  1. 濃厚飼料給与量の増加により,乳酸,アンモニア態窒素および揮発性脂肪酸濃度は全時間にわたって上昇する傾向が認められた。一方,pHは逆に低下する傾向を示したが,いずれの処理も6.0~7.0の範囲内であった。
  2. 各揮発性脂肪酸の比率において,濃厚飼料給与量の増加により,酢酸が減少し,酪酸および n-バレリアン酸の増加する傾向が認められたが,プロピオン酸およびiso-バレリアン酸には差が認められなかった。