牛の消化管内線虫に関する研究
 II 北海道の牧野における種類とその寄生状況

工藤卓二・八田忠雄・岸 昊司・谷口隆一・佐野信一・伊藤季春(北海道立滝川畜産試験場)

新得畜試研究報告 6.35-39(1974)

 道内の牧野における消化管内線虫の種類とその寄生状況を明らかにするため,2年間にわたって,道内13箇所の公共用牧野に放牧されている育成牛延 1,285頭について入牧期(5月),放牧中間期(8月),終牧期(10月)の3回調査した。寄生状況は調査牛の糞便に含まれている虫卵数( epg)によって推察し,種類は糞便培養によって得られた感染子虫と虫卵の形状によって同定した。
 全牧野の平均虫卵数は,全期間中で最も高かった放牧中間期において213epgであったが,道東地方においては2,000epgを超える牛が16%も認められた。このような高い寄生度合は,その牧野における飼養形態に深い関連のあることが推察された。
 この調査によって認められた消化管内線虫の種類は10属11種であった。Cooperiaoncophora,C.punctata,Mecistocirrus digtatus,Ostertagia ostertagiの4種が道内における主な優占種と考えられ,その他に,Tricostrongylus axei,Bunostomumphlebotomum,Oesophagostomum radiatum,Chabertia ovina,Nematodirus helvetianus,Strongyloides papillosus, Trichuris ovina が少数分布していた。