肉牛の肥育に関する研究
 III 全放牧によるヘレフオード種去勢牛の育成・肥育

清水良彦・新名正勝・森 鬨夫

新得畜試研究報告 7.11-22(1976)

 牧草を主体とした2冬舎飼,2夏放牧の放牧仕上げによる産肉性をへレフオード種去勢牛12頭を用いて検討した。試験処理は舎飼期の1日当り濃厚飼科給与量を少量給与区(1冬目舎飼期0.6kg,2冬目舎飼期1.0kg)と中量給与区(1冬目舎飼期 1.5kg,2冬目舎飼期 2.0kg)とに区分して,それぞれ6頭ずつを供試した。放牧期は全頭1群で改良草地に放牧し,同一管理した。
 終了時月令は平均約29カ月令で,終了時体重および通算増体日量はそれぞれ少量給与区では511kg,0.52kg,中量給与区では 568kg,0.61kgとなった。舎飼期(319日)および放牧期(315日)の通算増体日量はそれぞれ少量給与区では 0.19kg,0.85kg,中量給与区では0.41kg,0.81kgで舎飼期では中量給与区が大きく,放牧期ではほとんど差がなかった。
 濃厚飼料および乾草の摂取量は少量給与区では254kg,2,530kg,中量給与区では566kg,2,600kgであった。放牧期における1頭当りの草地所要面積は1夏目では 31.8a,2夏目では37.2aであった。技内歩どまりは少量給与区57.4%,中量給与区57.5%でともに低く,差はなかった。枝肉は幅と厚みが小さく,背脂肪の厚みも小さかった。枝肉格付は両区とも外観では良いが,肉質の評価が低いため,等級はすべて「並」であった。枝肉の構成は両区とも脂肪割合が小さく,骨および正肉の割合が大きいが,正肉の終了時体重に対する割合は小さかった。