寒地型牧草の in vitro 乾物消化率および粗蛋白質含量

大原益博・田辺安一.土岐和夫

新得畜試研究報告 8.13-20(1977)

 チモシー(6品種),オーチャードグラス(3品種).トールフェスク(3品種)およびアカクローバ(5品種)を年間3回刈りし,チモシー(3品種),ペレニアルライグラス(5品種),シロクローバ(1品種)およびラジノクローバ(3品種)を年間5回刈りし,利用2.3年目の2カ年におたり,IVDMD,CP含量,DM収量,DDM収量およびCP収量について調査した。
 各草種のIVDMDと CP含量に有意な品種間差は認められず,大部分の草種間と番草間に有意差が認められた。3回刈りでは,チモシーのIVDMD が高く,オーチャードグラスが低い傾向であった。CP含量はアカクローバがイネ科牧草より有意に高かった。1~3番草の IVDMDはいずれの草種も1番草が高く,CP含量はイネ科牧草で1番草が,アカクローバで3番草が高かった。
 5回刈りでは,各草種の IVDMD,CP含量はそれぞれ75%,17%以上であり,大部分の番草が70%以上の IVDMD,15%以上のCP含量であった。マメ科牧草のCP含量はいずれも25%以上で,イネ科牧草より有意に高かった。
 DDM収量は DM収量に大きく影響され,3回刈りではオーチヤードグラス,トールフェスクが,5回刈りではラジノクローバが多収であった。CP収量はラジノクローバが多収であった。アカクローバーとシロクローバはイネ科牧草よりDM収量は少ないが,CP含量が高いためCP収量は多くなった。
 これらの結果より,1)年間3回刈りの場合,生産性があり栄養価の高い1番草の確実な収穫が大切であること,2)年間を通して IVDMD70%,CP含量15%以上の牧草地の放牧利用が可能であること,3)イネ科牧草にマメ科牧草を混播することによって牧草地のCP含量を高められること が判明した。