肉牛の肥育に関する研究
 V 放牧を加味したへレフォード種肥育牛の仕上げ体重が産肉に及ぼす影響

清水良彦・新名正勝

新得畜試研究報告 10.17-24(1979)

 放牧を加味した肥育牛について仕上げ体重の差異が肉量,肉質および官能におよぼす影響を検討した。
 ヘレフォード種去勢牛12頭を用いて仕上げ体重を500kg区,580kg区および 660kg区に3分して,各4頭ずつをと殺解体した。枝肉歩留は体重順にそれぞれ61.0,63.3および65.4%で,体重が大きくなるにつれて高くなった。
 しかし,枝肉に占める正肉の割合は体重順にそれぞれ75.6,76.5および73.4%で,660kg区は最低であった。枝肉に占める余剰脂肪の割合は体重が大きくなるにつれて増加し,骨の割合は逆に低下した。
 皮下脂肪は体重が大きくなるにつれて増加し,660kgでは厚さ2.6cmとなり,厚脂の状態と判断された肋骨間ロース部の構成では,体重が大きくなるにつれて赤肉の割合が低下し,580kg区から660kgにかけての赤肉の発育はほとんどなかった。
 胸最長筋の粗脂肪含量は体重が大きくなるにつれて増加したが,その増加の割合は少なかった。肉色および総色素量は,体重が大きくなるにつれて増加した。官能検査では,体重とは関係がなく差は認められなかった。
 その結果肉量では580kg区が正肉歩留で最もよく,肉質および官能では580kg区と660kg区でほとんど差がないことから,580kg仕上げが適当と考えられる。